見出し画像

「11月のリング――ムーニン vs 槍吹錠

11月22日、冷たい風が吹く夜、みの太家はいつも通り常連客で賑わっていた。カウンターではムーニンが湯気の立つおでんを楽しみながら、「やっぱり寒い日はあったかいものが最高なんだムー」とのんびり語っている。一方、その隣では槍吹錠がグラスを片手に、「熱い勝負がしたいぜ」と小声でつぶやいていた。

すると槍吹錠が突然立ち上がり、ムーニンに指を突きつけた。「ムーニン!お前、リングで俺と勝負しろ!」
ムーニンは驚いた顔をしながら、「えっ、リング?何の話なんだムー?」と首を傾げる。

「この店が俺たちのリングだ!」と拳を握りしめる槍吹錠。店内はざわつき始めるが、ムーニンは相変わらずゆるい調子で「まあまあ、落ち着くんだムー。俺、戦うより食べるほうが好きなんだムー」と笑う。

しかし、槍吹錠の闘志は止まらない。「お前のゆるさ、俺が叩き直してやる!」と叫ぶと、カウンターの前を勝手に「リング」に見立てて構えをとる。おっつぁんが苦笑いしながら「おいおい、店を壊すんじゃねえぞ」と声をかけるが、二人は聞いちゃいない。

ムーニンも仕方なく、ゆるゆると拳を構える。「じゃあ、ちょっとだけ付き合うムー。でも、痛いのは嫌なんだムー」とのんびりした口調のままだ。

槍吹錠が勢いよくジャブを繰り出すが、ムーニンはふらふらと体を揺らしながら自然にかわしていく。「おおっと、何だムー?当たらないムー」と呟くたびに、店内の客たちは笑い声を上げる。

「動きが遅いようでいて、掴めねえ…!」槍吹錠は必死だが、ムーニンの不規則で脱力した動きに翻弄されるばかり。さらに、ムーニンが突如「ラジオ体操第一!」と両腕を振り上げると、その奇妙な動きに槍吹錠が思わず吹き出してしまう。

「こ、これじゃ戦えねえ!」槍吹錠が手を下ろして笑いながらそう言うと、ムーニンも安心したように「やっぱり、平和が一番なんだムー」と答えた。

最後はおっつぁんが、「いいか、うちでリングとか言って騒ぐのはこの辺にしとけ。さあ、二人とも仲良く一杯やれ」と、二人にお酒を注いで場を収めた。ムーニンと槍吹錠も、すっかり意気投合し、「次はリングじゃなくて、おでんで勝負しよう!」と笑い合うのだった。

本日のおすすめメニュー「牛タンコロッケ」500円
外はサクサク、中はしっとりジューシーな逸品です。

葛飾区鎌倉-もうひとつの我が家-
居酒屋・ご飯処 みの太家
https://minotaya.jimdofree.com/

いいなと思ったら応援しよう!