「お米で返済!?ムーニンの奇想天外な作戦」
ある日の夕方、金町の事務所で、サブローとミツルがテーブルを囲んでいた。机の上には帳簿が広げられ、二人は5,000円の未返済額を見つめていた。
「ムーニンのやつ、いつ返すつもりなんだよ。そろそろ取り立てに行かないと」
サブローが不満げに言うと、ミツルが肩をすくめた。「あの人、悪い奴じゃないけど、ちょっとズレてるからなあ。覚悟して行こうぜ」
その日の夜、柴又のムーニン宅を訪ねると、彼は玄関先で笑顔で迎えた。「やあ、二人とも!今日も元気そうなんだムー!」
「元気じゃないんだよ!」とサブローは怒り気味に言い放つ。
「そろそろ5,000円、現金で返してもらわないと困るんだ!」
ムーニンは慌てた様子を見せず、得意げに腕を組んでこう言った。「実は、いいアイデアがあるんだムー!」彼は奥から何かを抱えて戻ってきた。それは、大きな米袋だった。
「見てくれムー!これ、俺が週末に田んぼで育てた新米なんだムー!これで5,000円の代わりにしないかムー?」
サブローとミツルは呆然とし、顔を見合わせた。ミツルが
「いやいや、俺らが欲しいのは現金だって!米でどうやって家賃払えってんだよ!」と突っ込むが、ムーニンは
「お米は日本人の魂なんだムー!これ以上の価値があるムー!」
と真剣に語る。
仕方なく断ろうとする二人だったが、ムーニンはさらに
「じゃあ、このお米を売ればいいムー!俺が手伝うムー!」と自信満々。
結局その場では折り合いがつかず、ムーニンの「もう一つの提案」に耳を傾けることになった。
「いいかいムー。とりあえず、みの太家で一杯やりながら話そうムー!」と誘われ、二人は渋々ついていくことに。
みの太家に到着すると、いつものように店主のみのるさんとはるとくんが温かく迎えてくれた。「今日はまた賑やかそうだね!」みのるさんが笑顔で声をかける。
ムーニンは嬉しそうにカウンターに座ると、
「二人に今日は俺の田んぼ話をしながら奢らせてもらうムー!」と豪語。しかし、注文が始まると、焼き鳥、煮物、おでんに次々と手を出し、ビールや日本酒もたらふく飲む始末。
結局、気がつけばムーニンが奢るどころか、二人が全ての会計を押し付けられる形になってしまった。「おいおい、どうなってんだよ!」とサブローが叫ぶが、ムーニンは満腹で気持ち良さそうに微笑み、「いやあ、今日は最高だったムー!」と一言。
帰り道、ミツルが肩を落としながら
「俺ら、なんでこんな目に…」と呟くと、サブローも
「借金取りに来たはずなのに、何で奢らされてんだよ…」
とため息をついた。
そんな二人の背中を見送るムーニンは、自宅に戻りながらこう呟いた。
「次は、このお米の魅力をもっと伝える方法を考えるんだムー!」
こうして、ムーニンの奇想天外な返済作戦は続くのだった。
葛飾区鎌倉-もうひとつの我が家-
居酒屋・ご飯処 みの太家
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