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野手が投げていることが賛否両論だが、何か忘れていないか?
戦略的な野手の登板
8月6日、甲子園での阪神vs巨人の1戦、4-0で劣勢の巨人は8回の裏のマウンドに堀岡を送る。堀岡は登板時点で5試合に登板して防御率1.69と好投していたが、ワンアウトしか取れず7失点の大炎上。11−0と大差がついた8回の裏1死の場面で巨人は投手として内野手の増田をマウンドに送った。増田は近本をセカンドゴロ、江越に四球を与えたものの続く大山をライトフライに討ち取りその回を終了させた。
増田は最速138km/hでコントロールも悪くなく(少なくとも堀岡より良かった)、左打者の膝下に食い込むスラッター的なボールも投げていた。これは投手経験があったことはもとより、練習していたのではないか?
その時点でベンチ入りしている投手が大竹、鍵谷、大江、中川と同点から勝ちパターンの投手ばかりだっため、増田を送るのは間違っていないと個人的には思っていた。しかし、この起用は賛否両論を生む。
否定派の意見
巨人OBからの反発が強い。
巨人の野手・増田大を投手起用にOB紛糾! 元ヘッド・伊原春樹氏「原監督は調子に乗った」
原監督のもとでヘッドコーチを務めた経験のある本紙専属評論家の伊原春樹氏は「考えられない。私がベンチにいたら、原監督とケンカをしてでも絶対にやらせなかった。これはダメ。調子に乗ってどうにかしちゃったとしか思えない。巨人の伝統的な戦い方からはかけ離れている」と思わず絶句した。
というのも巨人には、川上監督時代から継承されてきた「絶対にゲームセットの瞬間まで試合をあきらめてはいけない」という伝統的な教訓があり、どんなに大差がついた試合でも、試合途中であきらめるようなプレーをした選手には、厳罰を下されてきたからだ。
「確かにメジャーでは、投手を無駄に使いたくないから野手を投げさせるケースはある。それにしたって、とんでもなく長い延長戦になった場合や、投手が足りなくなった場合でしょう。ここは日本ですし、イニングだって8回。まだ4人も投手が残っている。話題作りをしたかったのかもしれないが、なにより試合をあきらめてしまったことが、巨人というチームではよろしくない。0―11では、そりゃあ負けですよ。でも、巨人でそれをやっちゃあダメなんです」
堀内さん 野手・増田大登板に激怒「巨人軍はそんなチームじゃない」「俺はテレビを消した」
堀内さんは「これはやっちゃいけない。」のタイトルでブログを更新。「増田大輝がマウンドに立った。これはやっちゃいけない。巨人軍はそんなチームじゃない」と書き出すと「しかも今、首位に立ってるじゃないか。強いチームがそんなことやっちゃダメよ。こんなことして相手のチームはどう思うだろうか。馬鹿にされてるとは思わないだろうか」と原監督の采配を疑問視した。
そして「増田がマウンドに立った瞬間俺はテレビを消した。それ以上、観たくなかったからだ」とした堀内さん。いつもは試合後に選手たちへ厳しくも温かいメッセージを送っているが、「この試合のコメントも今日はしたくない。こんなこと絶対やっちゃいけないよ。俺はそう思う」と怒りをこめてブログを結んだ。
巨人軍OB、特に原監督の元でヘッドコーチを務めていた伊原氏、原監督の第1次第2次政権に挟まれている堀内氏は執拗に抗議している。しかし、堀内氏はその後ブログ記事を削除しており、この記事はもう読めない。
伊原氏に関してい言えば西武コーチ時代の1995年、当時所属していたデストラーデが登板しているんですよね。それはどうだったのかと。また、これには球界のご意見番であるダルビッシュ様もこうおっしゃっている。
1995年、東尾監督の時にデストラーデさんがピッチャーされているんですが当時コーチだった伊原さんはなぜ東尾さんと喧嘩して辞めさせなかったんですかね? https://t.co/JKoq2EqGzt
— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) August 6, 2020
賛成派の意見
意外な人物が賛成派だった。
張本氏「評価します」野手登板させた巨人原監督采配
張本氏は「賛否両論あると思いますね。ピッチャー側からしたらピッチャーのプライドを傷つけられたということもありますし、監督の采配から言ったら、私は12球団の監督でこれくらいできるのは原監督しかいないと思います。なぜかというと、11-0でしょ。『今日は負けゲーム』だと、腹くくってるわけですから。そういう監督はまずいない。9回の裏まで9-0でもひっくり返されて負けたチームは過去いくらでもありますから。監督をやってる人はもしや、ひょっとしたらという気持ちが非常に強いと思いますよ。増田という選手は高校の時はピッチャーですから、そのことも考えて、原は起用したと思いますよ。まあ、原監督の采配は両方とも言えると思います。私は原監督の采配の方を評価します」とコメントした。
何が意外だったかと言うと、ハリーは2017年6月30日大差の試合で青木宣親(当時HOU)が登板した時こう評していた。
張本氏 青木初登板に喝「草野球じゃない」 斉藤和巳氏はあっぱれ
野球評論家の張本勲氏(77)が2日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に生出演。米大リーグ、アストロズの青木宣親外野手(35)が6月30日のヤンキース戦で日米を通じてプロ初登板したことについて「喝!」を出した。
青木は劣勢となった4―10の9回から6番手として登板。1イニング(20球)を投げ、1安打2四球3失点(自責点3)だった。
張本氏は青木初登板のVTRが明けると、すかさず「喝!」。「青木を起用した監督。青木にも喝。草野球じゃないんですよ」とまくし立てると「アメリカ野球にもがっかりしたねぇ…こんな野球やっちゃダメだよね」と落胆を隠さなかった。司会の関口宏(73)は「捨て試合だし…」としたが、張本氏は「関係ないよ。(観客は)入場料払ってるんだから。それ全部返還した方がいい。青木も断らなきゃ」と怒り心頭だった。
今思えば6点差だったからか、考えがアップデートされたということだな(プラス思考)。
この試合から巨人の連敗は続いているが、勝ちパターンの投手を温存する采配は悪いことではない。もし仮に今年の巨人が優勝を逃せば、この試合のせいにされることは明白だが、それも仕方がない。
個人的に
賛否両論あることはわかるが、投手登録じゃないと投げられないなんてナンセンスな話だ。それがダメなら、内野手登録木村拓也の緊急捕手起用など成り立たないし、ユーティリティプレイヤーが死んでしまうことになる。大体、阪神打線が増田をボコボコにして勝ちパターンのリリーフを引きずり出せば良いのだ。MLBでは当たり前の戦法だったが、MLBでも6点差以上か延長戦でないと登板させられないことになった。今回は当てはまるけれど。
野手が投げていて、90マイル投げた!とかいいナックルボールを操る!とかは楽しい。エンターテイメント的な要素と、投手を無駄遣いしない戦略的要素が入り混じった戦い方だと思っている。
あと、これだけは言いたい
2016年10月16日、パ・リーグのCS第2ステージの最終戦で指名打者として出場していた野手が最終回に投手として出てきたことがあったけれど、それについて誰か疑問を呈していまいしたか?球界の大物OBはこの起用についてどう思っているのですか??忘れたとは言わせないぞ!(ソフトバンクファンの悲痛な叫び)
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