中国語リスニングアップに必要な3ポイント
中国語講師歴18年、中国語法廷通訳15年の
語学ライフコーチ須磨みのりです。
中国語を学習している方が、一番悩んでいるのがリスニングではないでしょうか?
例えば、HSKや中国語検定などの試験で、読解や穴埋めなどは高得点なのに、どうしてもリスニングが伸びない…という事が特に日本人には多いと思います。
だからといって、中国語学習を諦めないでくださいね。決してご自分の能力のせいなどではありません。
なぜなら、リスニングの効果は、ずっとずっと遅刻してやってくるからです。「おお!今頃やっと来たか!」のような…
それまではコップに水が溜まるのを待つ感覚です。
さて、私なりの解釈にはなりますが、今日は、前回の「発音」、「作文」に続き「リスニングアップにつながる3つのポイント」をご紹介します。ご参考になりましたら幸いです。
1)ご自分の発音を正確に。
「自分が発音できないものは聞き取れない」
これには解釈が2つあります。
ひとつは、ご自分が発音できないもの、つまり知らない単語、出会ったことがないフレーズなどは、もちろん発音できません。初めて出会う単語だからですね。
ただ、知っている単語でも1度や2度出てきただけでは、聞き取れません。
私なんかでは
1)覚えて⇒2)使って⇒3)忘れて悔しがる⇒4)覚えて⇒5)なんか聞いたことがある⇒6)調べて悔しがる⇒7)おお!これだったか…の繰り返しで、だいたい私の場合は新しい単語と出会って12回ほどこの作業を経て日本語並みに使えるようになる感覚です。みんなは絶対に私よりももっと早いぞ!
私は、一つ一つの単語に覚えた記憶があるくらい、単語を覚えていきましたよ。地道な作業ですが、覚えて、忘れて、思い出して、使うを反復していくといいですね。
あともうひとつは、自分が正確に発音できない音は、リスニングで認識しにくいのです。「Ri」なのに「LI」と発音していたら、自分の耳では、自分の音に慣れています。音を認識しにくいのです。
まずは、リスニングをアップしようと思ったら、リスニング訓練をする前に大切な事をしましょう。
それはご自身の発音チェックです。音声の後に発音して練習してくださいね。独学の方はなおさら、必ず音声の後について練習してください。リスニング力がある人は、発音もきれいな方が多いです。
2)想像力を使おう!
「動詞や目的語などの組み合わせ(搭配)をご自分のものに」
なんだ?なんだ?それ?と思われるかもしれません。
日本語と同じように中国語にも、動詞+目的語の仲の良い組み合わせがあります。目的語だけを覚えるのはもったいないので、ぜひそのよく使う仲の良い動詞も併せて組み合わせて覚えるといいですね。また量詞もリスニングの助けになります。
例えば、簡単な例ですが…
饭(食事)といえば、仲の良い動詞は…そうですね
吃(食べる)
この「吃饭(食事をする)」を覚えていると
我吃了一顿饭。Wǒ chī le yí dùn fàn。
が出てきたときに「一顿」が聞き取れなくても、「食事をしたんだな」と想像がつきます。
逆に「饭」が聞き取れなくても、量詞の「顿」がわかれば、「食事の回数を数える量詞」として、食事をしたんだなと想像がつきます。
単語を覚える時には、仲の良い組み合わせ(動詞+目的語)を意識して覚えておく。
リスニングの時には、とにかく「だれが、何をした」だけでも注意して聞いておくといいですね。
そして最後は…
3)スルー力を養う
「聞き取れなかった単語を思い切ってスルー」
え?何それ?と思われるかもしれませんが、少し重要です。
先ほどの例で「我吃了一顿饭。Wǒ chī le yí dùn fàn」の「一顿」が聞き取れなかったら、「え?」「え?」「イードゥン?」と気になってしまいます。そうこうしているうちに、他の「我」や「吃」なども忘れていって、結局、まったく聞き取れなかった状態になってしまいがちです。
文中の単語がちょっとくらい聞き取れなくても焦らない!
中国の方は、同じことを何回も説明してくれたりもします。そして通訳の場面でも聞き取れない単語があったりもしますが、ほかの単語や量詞などでカバーできたりもします。
集中して前のめりになって一言一言を聞くよりも、ちょっと一歩下がって俯瞰して聞くイメージがいいですね。
リスニングを怖いと思っていると、先ほどいいました前者の「一言一言」にとらわれてしまいますので、まずはざっくりと言いたいことを聞く練習をしたらいいです。
それには、いろいろな中国語の音声を聞くよりも、一つの音源(スクリプトなどの答えがあるもの)をじっくり3分間集中して数回聞くほうが学習になります。
一枚の教材をぼろぼろになるくらいまで、音読、精読、訳出、してみるのがいいですね。
最後になりますが、リスニングの効果は遅れてやってきます。今の学習の努力はコップに少しずつ蓄積されているので、絶対にあきらめないように。
皆様のリスニングアップの助けになりますように
こちらもぜひご参考に♡
「中国語発音がうまくいく3ポイント」
「中国語作文がぐんと伸びる3ポイント」
自己紹介です。↓