No5:【中国語で収入を得るようになってから①】(中国語通訳フリーランスへ)2002年~2004年
通訳養成学校に通いながら、法廷通訳などを始めたけれど、さてさてこれからもっとガンガンと仕事をしよう!とやる気は満点!…しかし、その背後で怪しい影が…主人の長期単身赴任と主人のうつ病へ…※でもね、今回はその前のお話しです。
第5章 がんがん期 フリーランスへの道
時代は、ピッキング窃盗や蛇頭による密入国の最盛期。新聞にも報道されていましたね。2002年から法廷通訳のお仕事も増えてきました。
中国語での仕事は法廷通訳からスタートでした。
法廷通訳とは裁判の際に裁判官、検察官、弁護人、被告人、全ての発話を通訳します。※また機会があれば細かいエピソードやポイント等まとめていきたいな。今回は通訳を目指す方に参考になればということを書いていきますね。
さて、法廷通訳をやっていくうちに通訳の仕事のポイントというか肝がわかってきました。
ズバリ「通訳は背景事情がわからないと訳せない!」
裁判前には事前に起訴状や冒頭陳述、証拠等関係カード、弁論要旨などの書類が届き、裁判の読み上げ書面として中国語に訳しておくのですが、何と言っても、被告人の主張や役割、登場人物関係などの背景や、被告人の中国語のくせなどは知ってきたいところ、なのでそれらは、実際に弁護士と一緒に接見に同行させていただきチェックします。接見後、家に帰って事件の流れ、人物構成図など自分でまとめていました。
中には私選弁護人といって、被告人が弁護士を雇っている場合があるので、すでに通訳がついて接見を進めているのですが、それでも1回だけでもいいので接見に同行させてほしいと拝み倒して(笑)いました。できる準備は全てやっていました。
裁判所に登録すると、自動的に家庭裁判所や高等裁判所にも登録となり、少年事件や離婚裁判の通訳依頼も入ってきます。家庭裁判所、地方裁判所、高等裁判所それぞれに全く進行の仕方が違います。これもまた機会があればまとめてみたいですね。
主には刑事事件でしたが、新聞に載った大規模窃盗事件等や傷害事件等も担当しましたし、判決までに2年以上かかった事件もあります。多い時には12件同時に事件をかけもちしていました。数えるのが難しいですが、15年以上150件は担当していました。
前回、書きました通訳学校の講師の言葉「なんて大胆な、あなたにはまだ3年早いわ」まさにそうでした。聞き取れない言葉、伝わらない言葉、たくさんありました、冷や汗かきながらですが、一つ学びました。
「足りない能力は、準備でカバーする!」
そうなのです、中国語の語学力がたりなければ、そこで諦めるのではなく、自分ができる準備をとことんする。出てきそうな単語をピックアップしたり、想定できるイメージ、シュミレーションから単語をピックアップ、弁護士に連絡して接見について行くなどなど…
いつでも自分に聞いていました。「あと自分ができる準備は何か?」
振り返ってみると結果、多くの事件を担当してきましたが、ここでもポイント
「いつでもこれが最後の仕事だと思って取り組む」でした。
こう思って取り組むと、仕事に対して感謝の気持ちも出るし、全力を尽くすことにもなります、出会う人すべてに対しても全力投球でした。すると不思議な事に次の依頼も入ってくるようになるのです。
2004年頃から日本企業中国投資商談会ブームにも突入します。各地で中国投資商談会などが開催され、毎月のように商談通訳へ。
アテンドやレセプションでの通訳、ファッションショー、工場見学、視察通訳もどんどん入ってくるようになってきました。
そしてさらに、通訳学校で知り合ったクラスメートが、ボランティアで地域に住む中国人のサポートを行っていて、病院や役所に一緒についていって中国語に通訳するというお手伝いをされていたのですが、そちらにもサポートに行くようになってきました。
いつのまにか法廷通訳やフリーランスの通訳とボランティア通訳を同時に行っていました。もちろんまだまだ通訳としては駆け出しでしたが、日々修行でした。
その時に決めていたのは「来た仕事は断らない!」でした。
裁判所からの着信があるとすぐに折り返し!片っ端から仕事をゲットしていました。仕事はご縁だと思い、スケジュールが空いていたら100%受けていました。もちろん実力以上の仕事もあって冷や汗だらけ反省だらけの時もありました。
中国語は自分で言いたい事を話すと何だか照れくさいけれど、通訳だったら、誰かのために相手に伝えることだったら楽しいかも!と思い始めました。
自分の通訳でだれかに貢献できるってすごい事だと思い始めました。そして普段会えない人に会えて、普段は入れない場所にも入れる!スゴイ面白いとも思い始めました。
そんな感じでフリーランス通訳でいけるかな!と思ってると、
おおっと!主人が………うつ病へ!!
続きは次回(^^♪
【こちらでも過去にインタビューしていただいております】
KURASIA:海外経験+語学力を活かして働く!【グローバルウーマンStyle】インタビュー形式もあり
https://tinyurl.com/wtcswn2
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