データとデザイン裏話#1
noteを始めるきっかけとなった『データとデザイン』という本について、何回かに分けてその裏話を書いていこうと思う。この本はBNN出版から2024年の1月29日に発売される予定で、日々生まれゆく膨大な量のデータを、いかに私達の生活とつなぎ、価値を生み出せるのかについて、デザインの視点から紐解いている。
本の中では、執筆に至った経緯や、そこに込められた想いなどが記されているが、noteでは本には書いていない裏話を紹介していきたい。#1では、『データとデザイン』というタイトルの由来について書いていこうと思う。
『データとデザイン』というタイトルは、執筆を始めた2年前に仮でつけたものだったが、最終的に採用されることになった。当初は安直すぎるのではないか、といった意見もあり「Data Humanize」や「データ人類学」といった、様々な案が上がった。
タイトルを考える上で大切にしていたことは、「データ」と「デザイン」という2つの概念が、いかに均等に扱われるか、という部分だ。この本は大きく2部構成となっており、第一部ではデータを主語にデザインの役割りを考え、第二部ではデザイン(人)を主語にデータの在り方を考える。そして、その2つを行き来することが最も大切な視点であると締めくくられる。
この2つの視点は太極図のように、相互に依存しあい、一体となっていることを本のタイトルでも示したいと考えていた。そのため当初は「データ」というワードが先にあることさえ気になっていたが、とある人から「と」というワードがAND以上に2つを等しく結ぶ意味を持つ、という話を聞き、最終的に『データとデザイン』というタイトルに着地した。
ちなみに、もしも英語版が出るとしたら「Data to Design」と書くことで、日本語とおなじ読み方をしてもらえるのでは!?と、一時期ざわついていたが、toにすると「と」に込められた意味合いが消え去ってしまうため、英語版では別のタイトルを考えたいと思う。