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自宅スタジオ~オンライン授業半年間終了!~

法政大学の春学期のオンライン授業が、終了しました。

コロナ禍になり、3月に急遽オンライン授業での実施が決定。
「オンライン講義って、どうやるの?」というところから始まり、オンライン配信のために試行錯誤しながら配信グッズを揃えてきました。
今日は、その紹介をしてみたいと思います。

はじめに考えたこと

法政大学は、今年の授業開始を4月中旬まで延長。でも、インタラクティブなオンライン授業は、学生側の通信環境が整わないのと、大学の学内授業システムの増強が追い付かず、5月のGW明けまで持ち越し。この条件の中「講義運営は講師の裁量に任せる」という、なんとも無茶ぶりな感じで始まりました。

多くの先生がオンデマンド配信(動画を事前に用意し配信)授業を選んでいたようですが、僕が学生だったら、ビデオを見て学ぶのはどうも釈然としない。「教室でやっている授業にどこまで近づけるべき」と、早くからZoomによる「リアルタイムオンライン授業」での実施を決めていました。

でも「オンライン授業ツールは大学が決める」という意向があり、Zoomのセキュリティ問題も噴出し、最終的にオンライン授業ツールが決まったのはGW明けの授業開始一週間前。結局法政大学はZoomとWebex(シスコ)に決まったので、胸をなでおろしました。Zoomがダメだったらと、Teams(マイクロソフト)の学生向けマニュアルも作らねばなりませんでした。

何がボトルネックだったのか

リアルタイムオンライン授業をやるにしても果たして何がボトルネックなのか?受講学生は140名。そもそも、この大人数に対してオンライン運営側に回った経験などあるわけはなく、でもやるしかないと腹を括りました。

①通信の安定性
学生アンケートをとった結果、全員が安定した環境にあるわけではないということが改めて分かったので、最低限配信側の通信回線を増強しておく必要があると、自宅の通信回線を光回線(1G)に増強しました。

さらに、Wifiの不安定さも考慮して、有線接続での配信としました。
色々調べたけれど、「単線」のほうがいいみたい。

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LANケーブルをこうして引き回しているので、家族には不評です(笑)

②カメラの解像度
PCに付属しているWebカメラでもオンライン授業はできるのですが、自分が参加者側にいて解像度の悪いウェビナーを見ていると異常にストレスが溜まる。これがどうしてもダメで、Webカメラを購入することにしました。

Amazonのコメントを死ぬほど検索して、最終的に行きついたカメラはこちら。

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ロジクール c920nです。
300万画素の画質はとてもきれい。広角だしオートフォーカスだし、マイクの音もかなり音質がいいです。(品薄の時には一時期値段が高騰した)

PCディスプレイにかけて映すのもいいのですが、下から上に向かった映し出すことになるので、偉そうに見えるんです。だからどうしても自分の目線から水平かやや上から撮るのが一番いいなと。そうすると、カメラ台が必要になる。これも色々見ましたが、ラスタバナナの三脚が一番使い勝手がよさそう(スマホ撮影でよく使うやつですね)

これで、カメラの画質はかなりクリヤーになりました。

③マイク問題
そしてもう一つ。これもどうしても許せなかったのが、「オンライン音が悪くてストレスがたまる問題」。webカメラでも悪くはないのですが、webカメラのマイクではまだクリヤーではない。これは、授業を受ける側からすれば相当にストレスがかかると思い、マイクについて調べました。

参考にしたのはこちら。

コンデンサー型単一指向性マイクが良さそうなので、悩みながら選びました。Youtuberの方が色々とノウハウを出してくれていて、さらに悩む(笑)
でも、PC接続なのでUSB型でないといけないので、ゲーマーモデルに行きつき、悩んで買ったのがこれ。

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このマイク、かなり良かったです。
手前の音量コントロールができるのと、これボタン式になっていて、ミュートができる!Zoomで画面からのミュートもできますが、忘れてしまったりしませんか?リアルにマイクの音をを操作したいなぁと思っていたら、これでできるんですね。かなり重宝しています。

注:ただし、単一指向性で感度がいいと、自分の後ろの音も拾ってしまうのでこれは注意が必要です。うちの猫は、よく授業やZoomミーティングで後ろで鳴くので、かなりの頻度で猫なで声が出現します(笑)

一緒についてきたWebカメラのCAM313も、かなり優れもの。
ロジクールの性能がいいのでこちらはサブ機になっていますが、家内が使っています。

音問題は、奥が深い~音声ミキサー導入~

こうしてなんとかまあまあできるくらいまでは整理できたのですが、まだ何か物足りない。

①マイクの音量をコントロールしたい
教室でのリアル授業でも、後ろの席の学生から「マイクが小さくて聞こえません」ということもしばしばあります。果たして、PC越しの学生は、僕の声がしっかり聞こえているのだろうか?音量を上げ下げできないか。AverMediaのマイクでもできるのですが、もうちょっと何とかしたい。

②オンラインツールでは、自分の声が返ってこない
これは結構悩んでいて、相手の声は聞こえるけれど自分のマイクを通しての声が、自分の耳に聞こえない。知らず知らずのうちに声を張って話しているのでしょうか。ミーティングを終了するとなぜか鼻が詰まる(笑)
自分の声を、モニターから返せないか?

これを解決する手段は、音声ミキサーだなと思って調べていたら、なんといいのがありました。YAMAHA AG03

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オーディオインターフェースという「アナログをデジタルに変換できる」機材です。デジタル変換用の音源ミキサーですね。これは本当に優れモノ。

課題だった音量調節も、自分の声も返してくれる。iPhoneをピンジャックで入力すれば音楽も一緒に流せる。楽器も一緒にできるし、マイクエコーもかけられる。すごいことずくしなんですね。
(今見たらちょっと値段上がってる。人気なんですね)

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一緒にセットでついてきたMarantzのマイク
この音質がいい!コンデンサーマイク&単一指向性で、AG03とのセットで今はこちらをメインに使っています。(↓どうやらUSB接続もできるようになったらしい)

これでさらに音問題はクリヤーになったんだけれど、どうもマイクを通した破裂音や息が気になってきてしまいました。

ポップガードを手に入れた

この破裂音や息の音、いわゆるリップノイズを拾わないようにしたい。それがこのポップガードです。歌手の人がレコーディングに使っている、あれです。

はじめ、カゴ式の安価なものを買ったのですが、送られてきたのは中国製の粗悪商品(笑)失敗しました。で、色々悩みつつ選んだんですね。

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選んだのはSTEDMANの金属製のポップガード。

これは当たりでした。
明らかにセットすると、音質がクリヤーになる。どうやらリップノイズだけ方向性を変えてくれるので、マイクで拾わないようにできる構造らしい。

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相当音質がクリヤーになりました。
そもそも、滑舌の悪い僕なので、いかに聞く側にストレスをかけないかを考えたら、こうなってしまいました。

(マイクインターフェースでUSBマイクもセットできたりすると、もう最高なんですが。ちなみにマイク2本使う場合はAG06という機材もあります)

ワイプを、使いたい

授業を一番学生がストレスなく楽しめるようにするためには、どうしたらいいか。緊急事態宣言中に一番考えていたのが「テレビ的に授業をする」こと。一人でやっている時にはいいのですが、僕の授業の一コマで特別講師を呼んでやる回がありました。

Zoomでそれぞれのカメラで映しつつやるのもいいんだけれど、画面が切り替わったり同一画面に入っていない(コマ割りされる)のが、どうしても気持ち悪くて、同一画面で二人を映すにはどうしたらいいか?と考えました。

そうだ!ワイプだ!

テレビで最近やっていますよね。他の人がワイプの中に出ているやつ。
これが実現できたら、面白いんじゃないかと。

そしたら、ありました!

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パナソニックのビデオカメラW585Mです。

これ、サブカメラがついていて、それをワイプに映し出すことができる。これは優れものだ!

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ビデオミキサー

でも、このパナソニックW585Mでは、確かにワイプができるのですが、カメラの角度が制限される。うーむ。これは使い勝手が悪い。

やはりカメラ2台で、ビデオミキサーに入れなきゃだめかな。
それじゃ本格的すぎるかなー。

と思って探していたら、なんと、こんなものが!

Roland V02-HDです!
これは、めちゃめちゃ優れもの。
このビデオを見た時に、震えました(笑)そうそう、やりたかったのはこういうことなんです。

このV02-HDは、本当に操作性がいい。
しかも、ちょうどいいサイズ感と機能になっている。だけど、いろんな映像操作ができる超優れものです。

ここまでやったら、Youtuberになっちゃいそうですが、買いました(笑)

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こんな感じで、授業をやりました。

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ソーシャルディスタンスを守りつつ、授業ができた(笑)

キャプチャーボードはこれがおすすめ

WebカメラはUSBでそのままPCと接続できますが、ビデオカメラの映像や、このV02-HDのようなビデオスイッチャーを通した映像は、PCにカメラからの映像であることを認識させなければいけません。そのためには、PCに接続するキャプチャーボードというものが必要になります。

緊急事態宣言の時には、このキャプチャーボードが超品薄になり、僕も入手はしたけれど使い勝手が悪い。(粗悪品は、通信速度が全然でないものもあるようです)

一発でほれ込んでしまったのがこれ。

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ElgatoのCAM LINK 4Kです。

カメラなどのHDMIのデータを、PCに簡単にさせるUSBになるシンプルなものですが、めちゃめちゃ安定して、しかもこんなに小さい。
このCAM LINKは、僕が見つけた時には品薄で、予約販売。
5月中旬くらいに、やっと届きました。めちゃめちゃ嬉しかったー。
映像系のHDMI入力からPC配信を行う場合には、超おすすめ製品です。

まだまだ奥が深い

ちょっと長くなりましたが、コロナ禍の中で配信をせざるを得ない素人が、ここまで機材を揃えてしまいました(考えていると結構楽しかったけれど)。

まだまだオンライン配信は使い勝手が悪いですが、Youtuberの人は日々このようなものを投資をしながらあれやこれや試している。結構な投資をしている人も多く見ます。Youtuber、マジで尊敬しました(笑)。

買ったけれどまだ使いこなしていないのがこれ。

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アクションカメラのGo Pro8です。
これ、本当に優れものなのですが、僕はまだ使いこなせていません(笑)
アクションカメラは、様々なバリエーションができそうです。

オンラインをストレスなくするために

そもそも僕がなぜこんな機材を揃えたのか。
それは、何より授業の向こうにいる学生が、ストレスを抱えないようにどうしたらいいか考え抜いた結果です。

自分もやっていて、今のオンラインミーティングでは、ストレスがかかります。これをいかにストレスレスにするか。そう考えたら、画面はきれいに、音はしっかり聞こえるように整備していかないと、と考えました。

コロナ禍のおかげで様々なオンラインセミナーなんかも出てきていますが、僕はやはり相手に最低限ストレスがかからないような状態にしたい。そう思ってここまで機材を購入し、自宅をプチスタジオ化しました。

ちょっとした工夫と投資でできるのであれば、やるべきなんじゃないかな。
皆さんからも「こんないいものがあるよ」というツールややり方があれば、これからも是非試していきたい。そう思っています。

●お問い合わせ・ご相談などはこちらまで


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髙橋実@マイクロ人事部長
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