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足立実の『ひと言』第54回「全労協を推進しよう」 1988年12月10日

 市川誠、太田薫、岩井章、吉岡徳次氏を代表とする「労働運動研究センター」第六回総会が十一月二二~二三日開かれ、全国から二百余人の幹部・活動家が出席した。
 総会の重要な意義は、全国労働組合連絡協議会(全労協)結成の具体的段取りを以下の通り決定したことである。
1 年内に中央単産、主要労組、地方組織代表による「全労協結成をめざす懇談会」を発足させる。
2 各組織が機関決定のうえ、来春できるだけ速やかに「全労協結成準備会」を設置する。
3 これらの準備活動のうえに、八九年秋に「全労協」結成をめざす。
 総会では、この方針を待っていたとばかり多くの代表から積極的な発言があって、「結成をめざす懇談会」には国労稲田委員長、都労連宮部委員長がそれぞれ名乗りをあげ、満場一致でこの方針を決定した。
 労働基準法・労働組合法はもちろん、国の政策・法律は労働者の生活と権利に直接かかわる問題であり、労働者の全国闘争と対政府交渉が必要だが、「連合」は御用組合だし、かつて労働者の全国闘争の司令部だった総評も「連合」に屈して来年解散するので、新たに労働組合の全国組織をつくることが、労働者の利益を守る緊急課題になっているのである。
 方針は出た。問題は実践である。
 私たちは全国の闘う労働組合とともに全労協結成の推進力になると同時に、地域の組合と共同で全労協地区準備会を結成するために努力しよう。(実)

(画像は2021年11月に開かれた全労協第33回大会)

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この年の7月の「全労協の呼びかけにこたえよう」の「ひと言」に続き、全労協結成に関するコラム。

参考

『ひと言』第49回 「全労協の呼びかけにこたえよう」
https://note.com/minoru732/n/ne9e12e15d135

ここでは全労協の具体的な結成スケジュールが決まり「新たに労働組合の全国組織をつくる」筆者の高揚感が表れている。

「方針は出た。問題は実践である」として、「全国の闘う労働組合とともに全労協結成の推進力になると同時に、地域の組合と共同で全労協地区準備会を結成するために努力しよう」と具体的方針を提起している。

ちなみに、このコラム執筆の翌1989年、日本の労働組合は連合、全労連、全労協、中立系の四つに大きく分かれた。

そのような中で国労をはじめとする国鉄分割民営化反対闘争は、国家的不当労働行為に抗して歴史的大争議になろうとしていた。

その国労を中心に都労連・民間 中小労組・地方組織などで、労働者の立場にたつ全労協を発足させた。筆者の所属する東部労組は全労協の結成に参加した。

また1991年3月には、東部地区の東水労・ 国労・東京清掃・公共サービス清掃・全国一般・東部労組など13の全労協加盟組合(約7500人) で東部全労協を結成し、国鉄闘争支援・合理化・行革反対・争議支援・地域労働運動と反戦平和運動の堅持などを内容とする運動方針を決定した。

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