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足立実の『ひと言』第37回 「大久保製びん支部の作風に学ぼう」 1987年5月10日

 四・五路地裏デモの余韻が残る公園で大久保支部の全員が散らばって煙草の吸殻やゴミを拾っていた。「掃除のおじさんがたいへんだから」と、一部のゴミはポリ袋にいれて持ち帰った。
 翌日、支部員は大労組の労働者たちに集会とデモの様子を伝え、みんなからは「たくさん来てくれてよかった。シュプレヒコールが良く聞こえた」と励まされ、会社のうろたえぶりを詳しく聞かせてくれた。
 「大久保は給料が安いんだから“賃金をあげろ”というのも叫んでほしかった」という意見もあった。
 夜、支部の全体会議で全員から工場や周辺の様子が生き生きと報告された。支部の一人が年休をとったことでみんなから「今日こそ職場の仲間とはなさなければならないのに」と真剣な批判が集中した。 この仲間は「済みませんでした」と頭を下げた。
 ビラまきが議題になり「支援の人に負担をかけては悪いから今週は支部員だけでやろう」と一人ひとりの分担区域を決めた。
 大久保支部の会社の障害者差別と組合攻撃に対する階級的憎しみと敢然と闘う精神はみんな見ている。それを支えているのがすべての労働者に謙虚に奉仕し、自らに厳しく対する作風であることを目のあたりに見て感動した。
 このような作風を堅持するかぎり、職場や地域の仲間の支持を得られないはずはないし、要求を貫徹する日は必ずくる。
 大久保支部の作風を学ぶとともに、障害者差別、組合つぶし反対、千葉君解雇撤回闘争を最後までともに闘おう。 (実)

(画像は墨田区にある現在の大久保製壜所)

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・大久保製壜支部
筆者所属東部労組の支部
当時障がい者差別撤廃の争議を闘っていた。
足立実の『ひと言』第4回 「方針のこと」 参照https://note.com/minoru732/n/n3308040cf2c4

・大労組
大久保製壜労働組合
支部組合結成に伴い対抗的に結成された第二組合

・千葉君解雇撤回闘争
大久保製壜所において支部組合員千葉さんと同僚の女性の障害者同士の交際を巡り会社が千葉さんを解雇した事件を巡る解雇撤回闘争
裁判では千葉さん解雇事件の上告を棄却、組合側が敗訴した。組合は最高裁長官に厳重抗議文を提出した。
足立実の『ひと言』第20回 「裁判所は誰の利益に奉仕しているのか」 参照https://note.com/minoru732/n/n19dc933dd963

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「大久保支部の会社の障害者差別と組合攻撃に対する階級的憎しみと敢然と闘う精神」と「それを支えている」「すべての労働者に謙虚に奉仕し、自らに厳しく対する作風」を称賛している。

事実、この後に大久保製壜支部には大労組の若い労働者が結集してきた。

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