書を捨てよ
昨年の初夏、26年間の沖縄生活を終えて生まれ育った横浜に帰ってきた。両親の介護をする為だ。ここ横浜の季節の移り変わりは、長く慣れ親しんだ南西諸島の季節とは違い夏が短く四季の時間的バランスが良い。沖縄は6月から10月まで暑くてその後も夏の様な僅かな秋、秋の様な僅かな冬、そして春らしき季節を経て雨季を迎え再び強烈な長く逃れようのない夏になるという1年間である。
あのうだる様な暑さと青い海が好きな僕には少々物足りないが、横浜には相変わらずしっかりした秋と冬と春があって季節のメリハリがあり、それはそれで非常に楽しい。
一方で県内外の交通アクセスにもそれぞれ特性がある。無論沖縄は県外に行くのに船か飛行機を使わないとならないが横浜は電車バス自家用車で本州内はどこまでも移動可能であり、様々な自然環境にアクセスしやすい。沖縄は丘は多いが山が少なくトレッキングに適した低山が本島北部に僅かにあるのみで関東一円に点在する様な山間部はほぼ無い。沖縄では夏の猛暑の最中に道中を歩く県民も少なく、ごく近所のコンビニにも車で行く始末である。よっぽど運動することに気を使っていないと運動不足からブクブクと肥えやすいのだ。故に僕も100kg前後の体重を行ったり来たりしながら20年以上を過ごしてしまった。そんな怠惰な生活を経て横浜に戻る9ヶ月前からダイエットを始めた。沖縄で103kg(2017年8月当時)だった体重は現在66kgまで落ちた。しめしめこれを機に全身の筋力をつけ登山家にでもなって近隣の低山を手始めに全国のピークを登頂してやろうかと目論む勢いだが、焦っても仕方がない。そもそも今の僕には基礎的な体力が無く登頂以前に登山口に行くのもおぼつかない始末である。つまり圧倒的に歩くことが苦手だ。とりあえず書を捨てて街に出ることから始めなければならない。
※写真はトレーニングの為に13kgの荷物を背負って近所をウロウロしている自分の陰影です。