ズバリ病歴の話し
群発性頭痛の症状が初めに出たのは1988年17歳の時。場所は留学先のカナダのアルバータ州エドモントン。11月頃だった。その日はフィールドトリップでアルバータ州立大学の学生街の見学をしていた。学生街は雑貨屋や書店や古着屋や映画館やレストランまであり、当時の日本の大学のキャンパスよりもあらゆる点で豊かな環境で、学内を歩いているだけで心が湧き立ったのを思い出す。そんな楽しい学生街を歩いている時に突然左目の奥にグワッグワッとした痛みを感じたのだ。私にとってこれが最初の群発性頭痛だった。いきなりの激痛に驚き、恐怖した。ヨレヨレと痛みに耐えながら学内の売店まで行き、バファリンを買って既定量を服用した。その後数分には薬効が顕れると期待したが、一向に痛みは引かず、むしろどんどん痛みが増す感じに耐えきれず、頭を抱えたまま通路のベンチに呻き声をあげてへたり込んでしまった。引率していたカナダ人教師のミス・ヒュースがすぐに私の異変に気づいてくれ、症状を訴えると、彼女自ら車を出してくれて私を寄宿舎に送り届け、ベッドに寝かせてくれた。そのあと2時間ほどしたら嘘のように激痛がスッと消え、一体なんだったのかとケロッとした気分になった。
翌日からほぼ同じ時間に同じ痛みが顕れるようになり、毎日2時間程度で痛みが引くサイクルを3ヶ月間ほど繰り返した。留学中ということもあり不安だらけであったが、若さもあって痛みが引くと、キャッキャとはしゃぐことも出来た。結局翌年の3月に帰国して、それと同時に寛解した。それから一年後、同じ時期に群発性頭痛がまたやってきて3ヶ月ほど苦しみ、再び寛解した。
ある一時期ではあるが、1年おきの時や2年おきという時期もあり、その時期に施工測量のバイトなどをして過ごした。だがやはり頭痛が邪魔して仕事は2年弱で辞めてしまった。その後22歳の時に1人で沖縄に移住して頭痛の様子を伺った。気候が変われば頭痛が治るのでは?という淡い期待があったが、そうはならなかった。気候が暖かくても冬の時期にはしっかり群発性頭痛がやってくるのだ。
結局34歳まで頭痛は続いた。