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究極の無感覚の先

思い出した。
究極の無感覚の先にあったもの。
何も感じない。感覚がなくなってまるでそこに存在していないかのようになる無感覚。グレーの世界。
ただ消えてしまいたい。
そう思うだけ。
それが底ではなかった。その先。無感覚の先。消えてしまいたいと思う先。その先にあったものは、ただただひたすら、手首を切って血が流れている映像が頭をよぎる。
言葉で消えてしまいたいと思うのもなくなり、ただリストカットをしているイメージが繰り返し脳裏をよぎりそれしか考えられなくなる。考えられなくなるというよりもそのイメージを繰り返し見せられてる。洗脳に近いと思う。手首の次は首。首の右側をカッターで切る。血飛沫が鮮明に飛び散るイメージが繰り返される。
自己暗示。

何をしているわけではない。
何かをしていても何も感じない。
味もない。冷たいとか温かいとか心地よいとかそういうのはない。
ただ繰り返しイメージが流されて。暗闇に沈み込んでいくイメージ。

そのひどい状況からどうやって回復したのかはわからない。
薬か睡眠か時間経過か。

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