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淡く切ない恋の思い出

レイプされたことが原因なのか、鬱が原因なのか、他にも色々と死にかけたりしていたことが原因なのか。
直接的な原因はわからない。
ただ、40半ばに差し迫った今、学生時代の思い出はことごとくない。
20代前半くらいまでの記憶。

記憶が錯綜しているのか、なんなのか。
記憶力はいいほうだったはずなのに、加齢のせいなのか。

20代半ばで、この人と結婚したい。と思える人と出会った。
強烈な恋心で。
重たすぎると振られた。
振られてしばらく食事も取れない。
やる気にもなれない。
二、三日、サンドイッチ一個だけで過ごすような日々。

それがきっかけで、その前のことを思い出せないのかとも思ったけど、どうやらそれでもなさそう。
その恋は、結局10年以上忘れられずに引きずっていたけど。

いろんなことが複合的に絡み合って、昔の記憶が薄れてしまったんだろう。


そんな中で覚えている人がいる。
正確には思い出した人なのかもしれない。
まだ、ノンケだった頃の仲の良かった友達。
ちょうどレイプされる前の年、中2の頃のクラスメイト。
小学校中学校と同じで部活も最初は同じだった。

同じクラスで、いつも一緒だった。
背中にはその人がいる感じで。
彼のことを好きな女友達には嫉妬されていて、なんなら、それを見せつけて楽しんでいたくらい。
いつも背中にいて安心した。
そんな相手。

中3では別のクラスになってしまって、高校も別になった。
失恋に似た気持ちを覚えている。
まだ幼馴染の女の子が好きだった頃のこと。
男友達に想いを馳せる淡い恋心。
思春期特有のものだと思っていた。

レイプされるまでは。

思い出したきっかけは、同窓会支援サイトに登録が残っているかどうか確認した際に見つけた。
この部活で、この誕生日、あ、あの人だって。
懐かしさが溢れて思わずメッセージしてみた。
最終ログインがいつなのかわからないので、おそらく登録が残っているだけだろうとくるハズのない返事を待っていた。
けど、来なかった。

機会があって、10代の頃過ごしていた町に行くこととなって、昔住んでいた家の周り〜小学校中学校と通学路をカメラ片手に散歩。
彼の実家はまだそこにあって、今も住んでいるとは限らないけど、ご両親がいるのなら、いずれ彼に届くだろうと手紙を送った。
誰かに手紙を送るなんてほぼ初めての出来事かもしれない。

程なくして、彼からメールが届いた。
少しやりとりをして、コロナが落ち着いたら、飲みにでも行きましょうということとなった。
結婚して、子供もできて、幸せな家庭生活を築いているということ。
自分には眩しすぎて、会えないかもしれない。

そんな淡い恋の思い出。
40半ばになろうというのに、とても恋がしたくてたまらない。



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