中森明菜という人
昭和生まれの自分にとって、小学生の頃のアイドルでした。
その中でもとても好きなアイドル。
理由は子供らしく、同じ誕生日だということ。
それだけで親近感があり、そして、彼女のパフォーマンスに惹かれたところももちろんあり。
そんな彼女の誕生日。
7/13。
メディアに出ることもなく、今はどこで何をされているのか。
日本にいるのか、海外にいるのか。
どこにいるにしても、幸せになって欲しいし、幸せでいてほしい。
彼女が幸せになってくれれば、自分も幸せになれる気がする。
と、こんな思いを背負わされたらたまらないと本人は思うだろうけど、そんなふうに感じてしまう。
彼女がデビューしたときは、まだ小学校に入るか入らないか。
同じ誕生日ということも知らなくて、ただ、テレビに映るアイドルの1人。
歌手というよりもアイドル。
そんな存在。
アイドルの中では、別に好きというわけでもなく、なんならスケバン刑事の影響もあって、斉藤由貴はじめとするシリーズのアイドルの方が好きだったくらい。
気がついた時には、自分にとっては、アイドルというよりは、歌手として認識をしていて、かっこいい人というイメージ。
強い人。
いつ同じ誕生日だと知ったのかとか、いつから応援しているのかとかは、正直記憶にない。
ただ、歌番組で出てくるとじっくりと観ていた。
難破船にとても強い衝撃を受けて、あの憑依体質の中森明菜が歌うからこそ、あれは彼女の実体験に思えて、あぁ。と共感というかなんというか、シンパシーを感じた。
そして、未だに、TANGO NOIRの一節が身に染みる。
“愛しただけで私壊れていく“
7月13日生まれの人の運勢。
星座占いでも、なんでも、だいたい出てくるのが、情に厚く恋愛に溺れる。
一途で周りが見えなくなって、献身的に尽くしてしまう。
ただ、それから目が覚めると手のひらを返したかのような憎悪に変わる。
昔からの演歌の世界の女性。愛憎。
好きな人のためならなんでもしてしまう。
子供ながらにそういうものを感じていて、難破船やTANGO NOIRの一節が、彼女の歌の世界がそれを表現しているように感じて、とても響いていた。
当時の自分は、幼馴染の女の子がずっと好きで好きで。
小学生ながら、将来は結婚して幸せな家族になりたいと思っていたほど。
まだ夢をみていた。
小学校高学年の頃、彼女にあの事件が起きる。
そして、妙に悟った。
あぁ、恋愛では幸せになれない星の下に生まれてしまったんだなと。
彼女を見て、勝手にそう思っていた。
そこからそう思い込んでいた。
実際、幸せにはなれていないのだけれども。
小学校低学年から、中学3年までずっと片想いしていた幼馴染の女の子。
それも、中3の時に自分に起きた事件で壊れる。
男が好きなのか女が好きなのか、自分は何者なのか、何もわからなくなった高校時代。
男に求められるまま抱かれていた大学時代。
気がついたら男しか好きになれなくなっていて、恋愛って何?状態。
20代半ばで、目に入れても痛くないほど好きになった一つ年下の彼ができ。
人生の全てを捧げてもいい。それくらいの重たい感情でぶつかって。
相手にとっては重たすぎて逃げられてしまい。
別れてから、10年忘れることもできず。
その間も誰かと付き合ったりもしてきたけど、恋愛って感じではなく。
気がつけば40半ば。
打ち込んできた仕事も、今まで無茶してきたのが祟ったのか、体調を崩して、無理ができなくなり。
人生を振り返って何もないことに茫然自失。
だからこそ。
だからこそ彼女には幸せでいてほしいと願う。
そうすれば、自分もいつか幸せになれるような気がするから。