私から見たこの活動【メンバー自己紹介①】
こんにちは。
くしろマイノリティ研究所のかじかです。
活動に参加したのは途中からになりますが、研究活動、ヒアリング、啓発のためのツール開発など、活動全般に関わっています。
この記事では、これまでやってきたこと、その所感などを書いていこうと思います。
私が初めに関わらせてもらったのは、ダブルマイノリティ当事者の経験談への返信とヒアリングでした。
この活動では、まずサイト「死にトリ」でダブルマイノリティの方にアンケートをとり、ZOOMでのヒアリング可能な方には経験談を送ってもらっていました。
ヒアリングを実施する際は、あらかじめ経験談を読んで返信を書いてから、話を聞く流れをとっています。
経験談とヒアリングで思ったのは、とても皆さんオリジナルで個性的な方だな、ということです。
それは今ある概念でいうなら確かに「発達障がい」「セクシュアルマイノリティ」というカテゴリーに当てはまりはするのですが、たとえば発達障がいがあるからといって、「発達障がいの○○さん」みたいに理解できるわけはなく、「○○さん」はその人一人だけで、その人なりの感性をもっていて、経験をしてきています。
だから一人ひとりで考えると、似てる部分はあまりないと私は感じていて、共通するのは今の「当たり前」に窮屈さを感じたり、不利益を被っている部分だけ、と言えるかもしれないと思いました。
私自身もASDであり、感性や考えが個性的であるせいでセクシュアリティについても多数派とはいえないので(LGBTQでいうならQになります)、一応ダブルマイノリティに当てはまります。だからヒアリングした相手には、似ている部分も全然似ていない部分もあれども、いつも勝手に仲間意識を感じながら話を聞かせてもらっていました。
その後は月に1回の定例ミーティング(業務的な打ち合わせもありますが、それが終わったら毎度実質研究会になっています)と、不定期にアドバイザーを呼んでの意見交換会を行って、今後どんな活動をしていくか計画を考えて、徐々に実践にもつなげてきました。
今月からようやく、つながっている方向けへの公開の研修会もスタートしました(今後も月1回開催していく予定です)。noteも始動したので、アウトリーチも進めていく予定です。
これまでのミーティングで一番議題にあがっていたのは、主にマジョリティ(この事業では「マイノリティ初心者」と呼んでいます)向けの啓発についてで、動画制作の準備は進めていたのですが、今月の話し合いの結果、一度その作業はストップさせることにしました。
マイノリティの立場・心情に素直になってしまえば、情報発信は「マジョリティにマイノリティを理解してほしい」といった方向性になってしまいがちです。でも今はマジョリティとされる人たちも、安心安全や、自己表現の機会が不十分な世の中です(マジョリティもマイノリティもどっちだって安心安全がないといっても、受ける不利益や脅かされる規模は違いますし、同じだとは私は思いませんが…)。とはいえ、余裕のない中で生きている人に「これを理解してほしい」というメッセージを押しつけても、あまり良いことは起こらないと感じています。
そのあたりの構造やジレンマにどう対処していくかは、簡単ではないテーマなので、もっと活動をしていってから啓発に取り掛かろう、ということになりました。
考えれば考えるほど、迷宮入りしていくようで、でも少しずつ大事な部分には近づけているような、簡単には結論の出ない活動です。
だからこそ今後も、いろんな人と語り合うことをしていけたらと思っています。