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どうして農家の妻になったんですか?と聞かれるときに答えること。

どうして農家の妻になったんですか?と最近よく聞かれるので、答えておこうと。

私はそもそも農家の生まれではなくて。田舎で育ちましたが、ほとんど農業に触れずに育ってきました。家は畑も田んぼもしていなかったので、学校で朝顔やヘチマを育てたり、バケツで稲を育てることくらいしか、やったことはありません。振り返れば、すごく不便な場所で、都市生活をしていたなぁ、というが率直な感覚です。

農家には憧れを持つこともなく、むしろ「大変だから、農家の嫁にだけはなるな」って当たり前のように大人に言われる環境で育ちました。

だから、人の紹介で今の夫に出会って(私が彼に)一目惚れをしたとき、なんとか「改心させて」サラリーマンを続けてもらおうと思ったくらいでした。

そう、彼は出会った当初から「農家志望(週末お手伝い中)」の現役サラリーマンだったのです。

それくらい、当時「田舎に移住志望のサラリーマンなんて、都会に疲れて田舎暮らしに幻想を抱いている人」という思い込みしかなかった。(ごめんなさい)

だから、かぐや姫よろしく、いろんな無理難題を与えてみれば、きっと彼は尻尾を巻いて、都会に帰っていくだろうと思っていたのです。

ですので、

◎(トマト栽培については学んでいても)畑なんてやったことないだろうから、畑付きの場所を借りて、畑の大変さを知らしめよう

◎田舎の窮屈さをしらないだろうから、the田舎人、みたいな人に合わせてギャップを感じさせてみよう

◎師匠以外の農家にあったことがないのだから、違う農家さんに合わせて、厳しさを体感させよう

などなど、「試練」と思えるもろもろを用意したのですが・・・。
彼は、意気消沈するどころか、キラキラと活気を取り戻し、難なく乗り越えてしまったのです。

最終的には、他の農家さんに、「いやもう、彼は農家になるために生まれてきたみたいな人。天職ですね」と言わせる始末。

無理難題じゃなかったんかーい!

ということで、のんびり安定サラリーマン専業主婦を目指したはずのわたしは、彼と結婚して農家になるか、他の人を0から探すか、という究極の2択を迫られることになったのです。

気づけば、あれよあれよと言う間に、惚れたもん負けでしょうか、まさかの農家の妻になってしまった。
というのがわたしの農家人生の始まりです。

この業界に入ってみて初めて、農家になりたいけどなれなかった、という人がこんなにいることを知ったし、なんと、申し訳ない不純な動機で農家になったか、と思い知らされる毎日です。

ほんとごめんなさい。
でも、こんな私だからこそ、できることだって世の中にはあるのかな、というのを少しずつ感じたり。

なんだかんだで、農家3年目。
最初の動機こそ不純でしたがめちゃくちゃ農家っておもしろいし、私史上最高に、地域も自分のことも苦なく好きだなあって思える毎日が楽しいです。

悩ましいことなんて山程ありますが。
わたしらしい、農家の妻道を目指して。

どうぞよろしくお願いします。

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