大学の面白授業②子どもたちと一緒に遊べるスポーツを考えてみた
こんにちは♪
前の投稿で、大学の講義「アダプテッドスポーツ」について書きました。
今日は、この講義を参考に子どもたちに開催した「知的探求部ーアダプテッドスポーツ編ー」というイベントについて書いてみたいと思います♪
大学の講義が面白い
もともと、子どもたちにアダプテッドスポーツの経験を提供できるようなイベントはやりたいと思っていましたが、実際にすぐ行動に移せたのはこの講義のおかげです。
「子どもたちの知的探求心を養うためのイベントを、大学生主催で開催しよう!」
講師は酒井研治先生という、インターナショナルスクールの理事長であり、保育士であり、知的探求部というイベントも開催される、子ども教育のスペシャリスト。
この先生の元、4つのグループ、1チーム4,5人に分かれてグループワークをしました。
どんな内容を子供たちに提供するのか、集客はどうしたらいいのか、子どもたちが自主的に学ぶにはどう工夫すべきかということを考えながら、0から100までを学生たちで作り上げるという、密の濃い授業です!
無作為に選ばれた5人で、どんなことをしようか話し合いました。
アイスブレイクの一つで、みんなの受けた神授業はなに?というお題でお話をしたとき、私はアダプテッドスポーツの授業について話しました。
アダプテッドスポーツとは?については、ぜひ前の投稿をご覧ください^^
すると、グループの仲間は「その授業いい!」と共感してくれました!
その仲間たちのおかげで、この講義を作ることができました。
イベント内容
1,アダプテッドスポーツの説明
→アダプテッドスポーツとパラスポーツの違い、アダプテッドスポーツの具体例を説明しました。
2,車いす&盲体験
→車いすは、会場の貸し出し用のよくある車いすと、私が今乗っている電動車いすに乗ってもらい、その違いや車いすに乗っているときにやられると怖いことなどを実感してもらいました。
盲体験は、盲学校で実際に体験してきた学生を中心に、目が見えない感覚と、介助する側のやり方を実践しました。
3,ボッチャ体験
→会場が狭いので、少し変則的なルールを定め、2ゲームをしました。
最初は一番近づけられた人が勝ちという風にしようと思ったのですが、せっかくみんなで力を合わせてできるスポーツなので、ボッチャのルール通り、近いボールの色で判決しました。
4,ボウリングをアダプテッドスポーツにしてみよう
→ここが一番の目玉ポイント
ボウリングというピンを倒すゲームを誰でも公平にできるようにするにはどうしたらいいか、みんなに考えてもらいました。
5,発表
→創作したアダプテッドスポーツをもう一つのチームに発表しました。
2つのチームで全く違うルールが出来上がって、とっても面白かったです!
子どもたちの発想力がすごい
4のボウリングをアダプテッドスポーツにしてみよう!について、
2チームに分かれて話し合いを始めました。
本当は私と一緒に出来るものを考えてもらおうと思っていましたが、今回の子たちは、目の不自由な人と一緒に遊ぶ方法を考えたいということで、私はお役御免に(笑)
アドバイザーとして入ることになりました。
学生が目隠しをし、その学生を含めたみんなで楽しむ方法を模索します。
ボッチャをそのチームでやっていたおかげで、すでにグループの雰囲気は上々。
こちらからヒントを出していないのに、どんどんみんなで、こうしたらいいんじゃないかという意見が出てきて本当にびっくりしました。
しかし、気になったところが2つありました。
気になるポイント①呼び方が「目が見えない人」
最初に気になったのは、その子のことを話すときに「目が見えない人」という言い方で話し合っていたこと。
その子の名前はみゆちゃんです(仮名)。
胸に名前シールを貼ってあったのでわかります。
しかし、その子のことをいう時に目が見えない人というように名前で呼ばずに話し合っていたことが少し耳に残りました。
気になるポイント②話の輪に入れない。目が見えないから○○だよね
みゆちゃんが実際に話の中に入るのが、最初の方は難しかったです。
目が見えないということは、今どういう状況なのか把握することが難しい。言葉で話してくれていることなら理解できる部分もありますが、他の子がボールやピンを触りながら話し合いを行っていることは分かりません。
その状況を説明せずに、目が見える子たちで話が進んでいきます。
「目が見えなかったらこうだよね!」「こうしたほうがいいよね!」
そういう発想力で、相手のことを考えるのはすごく素敵なことです。でも、そこに当事者がいるなら、聞いてほしいと思います。
この状況って、当事者不介入で話が進んでいってしまう大人の世界でも同じなんですよね。
ここを話し始めると長くなるので割愛。
この状況の時に、みゆちゃんが話に入れるように少し声をかけてみました。
「みゆちゃんの意見は聞いてる?みゆちゃんは今の状況わかってるかな?」
この声掛けもどうやってやるか悩みました。
私は、
「みのりちゃんも入れてあげて」
と言われるのがすごく嫌でした。
入れてあげて、私はやっぱりやってあげる存在なんだって、対等な存在じゃないんだなって思わされている感覚で。
でも、誰かが言ってくれないと、私も入れてほしいって言えなかった。
だからこそ、どんな言葉選びがいいのか、すごく悩みました。
でも、この一声で状況を説明する子が現れて、どんな状況なのか、みゆちゃんの得意なこと、分からないこと、難しいことにも耳を傾けようとしてくれました。
実際にこの言葉がよかったのか、正直分からないけれど、小学生の例えば目の見えない子がこう言った声かけに対してどう思うのか、気持ちが聞きたくなりました。
それずるい!
みんなでたくさん話し合って、どんなやり方がいいか決まった後、試合になりました。
みんなが1投目を投げているとき、小学3年生のゆうたくん(仮名)が、みゆちゃんよりも点数が低く出てしまいました。
それに対して
「みゆちゃんずるい!近いから!」
と言いました。
んーなかなか難しい。。。
そこで、
「みんな公平なルールを一緒に考えてきたよね。一回ちゃんとやってみて、圧倒的に勝っちゃうってことがあったら、また考えよ?」
とゆっくり目を見てお話しました。
すると、「わかった」と納得してもらうことができました。
実際にそのルールは、ほぼ互角で終わることができました。
全員が楽しかったと答えてくれた
無事すべてのプログラムが修了。
帰るときに、みんなが笑顔で、楽しかったと言ってくれたことがとてもうれしかったです。
事後アンケートも全員が「とても楽しかった」にチェックをつけてくれました。
そして、様々な人と関わってみたいと思いましたか?という質問にも「とても思った」と回答してくれました。
1回のイベントでどこまで共生社会の目線を身に着けられたのかは未知ですが、これからの学びの種に、考え方の一つにはなってくれたんじゃないかなと思うと、本当にこれをやることができてよかったなと、泣きそうになりました(笑)
終わりに
今回のイベントを通じて、子どもたちの想像力の豊かさ、純粋さ、純粋ゆえの難しさ、様々なことを学びました。
この時代に共生社会の目を、みんなが取り残さず生きやすくなる方法を考えることができたら、絶対将来素敵な社会になると感じました。
一方で、今回は私たちが学生ということで、落ち着いた目線からみんなに寄り添うことができました。
しかし、同じ年の当事者の子が一緒にやるなら、その子の主体性や、みんなとなじめるかということにも左右されるし、恥ずかしいと思う子もいるかもしれません。
これをやるには何度も試行錯誤が必要だなと感じました。
なにはともあれ、みんなが満足できる企画にできたこと、本当に良かったです!
うちの学校でも、団体でもやってみたい!と思われた方はぜひ声をおかけください!
みのり
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