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30歳♀酒クズの半生(6)

前のお話の続き。

パパが帰ってこなくなってから。

私と妹はじじばばに引き取られ、一緒に暮らす事になった。
私たちはパパが帰ってこない理由を聞かなかった。
なんかもう聞きたくなかったのかもしれない。

中学生になって、じじばばの手伝いをして、
できるだけ迷惑をかけないようにしてたけど、
その頃は本当にお世話になりっぱなしだった。

二人とも若くないけど、学校行事とかで必要がある時はいつも協力してくれたし、
買い物も一緒に行ってくれて、なんでも買ってくれて、
おばあちゃんは
「私の人生は二人のためにあるから、なんでもさせて」
っていつも言ってた。

おじいちゃんは定年退職で仕事をしてなくて、
家でいつも庭いじりしたり本を読んだり。

おじいちゃんは
「二人が結婚するまでは死ねないから」
と言って健康グッズをいっぱい買っておばあちゃんにグチグチ言われてたw

この頃から、早くひとり立ちしてお金稼げるようになりたいなーって思って、
バイトしたいとは思ってたけど、求人誌の中にバイトできるような仕事はなかった。

一度おじいちゃんに相談して、バイトしたいから知り合いとかいないか相談したんだけど、
バイトなんかしなくていいから二人は学校に集中しなさいって言われて断念。

特に中学校時代は変わった事もなかったんだけど、
ここで今の親友、「まいこ」と出会った。
まいこは明るくて楽しい子で、勉強は出来るけどふざけてばっかりのムードメーカーって感じだった。

まいこの家はお金持ちって感じだったんだけど、
本人はそういうのを一切自慢したりせず、本当にいつもふざけてた。

ある日自習の時間、何を思ったのか黒板の隅っこに小さなナスビの絵を描いて、
「私はこれを段々大きくしていくんだ!!」
って言い放ち、毎日消されては少し大きく描いて、を繰り返してた。

2週間後くらい、黒板を覆いつくすほどのナスビを描いて先生にめっちゃ怒られて、
「先生のおたんこなすうううううううう!」
って叫んでそのまま職員室に連れて行かれてた。

3学期のある日、家に帰ったら救急車がきてた。
おじいちゃんが買い物にいってる間に倒れていたらしい。
おばあちゃんが倒れていたところには真新しい血の跡があった。

そのまま、おばあちゃんは入院したんだけど、翌日息を引き取った。

続く


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