怪物
映画「怪物」の感想
※ネタバレ注意
是枝監督と坂元裕二がタッグを組み、安藤サクラ、永山瑛太らが演じた作品。映画「怪物」。第76回カンヌ国際映画祭において、「脚本賞」「クィア・パルム賞」を受賞した。2023年6月2日に全国公開された。
まず、先生が良い人。最初は悪い人だと思ってたけど、良い人だった。
人って見る角度によって全然違くて、自分の見てる面だけがその人じゃないんだなって思った。誰しも、優しい面を持っていて、苦しい気持ちを持っていて、一概に悪い人だって決めつけられる人なんかいなくて。その人の全部を知ることなんかできない。大雑把に捉えて形作っていく。
人を好きになるってどういうメカニズム?
自分の中が空っぽだから、空っぽじゃない人を好きになる。IQが同じくらいとか、そういうのもあるのかな。
言葉じゃ言い表せない、空気感とか、身にまとっているものが分かりやすい人は好きになりやすいのかも。はっきりしていて、安心感があるような人。そういうのをなんとなくで捉えて、いったん好きになったら間違いなくなる。結婚、浮気、どろどろした人間関係、よく分からないけど、そういうのを経験した方が人として厚みでるのかな。
みんな苦しさを抱えていて、何かしら悩みがあって、そんな中でつながった2人の重たい中でも必死に生きようとしていて細い糸を紡いでいるような空気感がすごく切なくて、まばゆくて、心にくるものがあった。
秘密基地みたいな、大人には見られない子供だけの世界が心地よさも寂しさもあって、愛情が交錯していて、お互いがお互いのことを思いやっていて、温かいお話だった。