光の魔術師 フェルメール
幼少の頃、絵の具を混ぜるとどうなるかの理解できていなかった私が建築を専攻して、パースを作成の授業で、色の重ね合わせができなく、友人に教えてもらうも、感覚的なところが理解できずじまいで、修了した。
社会人になって、一念発起して色彩検定、カラーコーディネーターの勉強をしていくと、色と光の世界に面白さにはまってしまった。
減法混合の色の三原色、加法混合の光の三原色。これに、イッテンの色相調和論(バウハウスの世界になってしまうが)を斜め読みすると、感覚ではなく、理論的に置き換えることができ、ワクワク感がとまらなくなった。
そんな色彩初心者の私が、ベルギーのアントワープの教会でみたベーレンスの絵画をみて、一気にその気持ちをもっていかれた。
アントワープ駅から1キロ程度歩くとアントワープ大聖堂が現れる。
フランダースの犬の最終話で、パトラッシュがルーベンスの絵を見ながら行き倒れになっているネロを見つけ、ネロがパトラッシュに声をかけながら、両親や祖父のいる天国へと旅立ちの場所として出てくる有名な教会。
一歩中に入ると、ヴォールト天井を配した回廊、ゴシック建築らしい佇まいと、バロック期の巨匠ルーベンスの作品が静寂な空間に荘厳さを形作る
ルーベンスの代表作、聖母被昇天、キリストの降下を見ていると、思わず、自分の心の中にある気持ちを吐露したくなるくらいの荘厳さがある
この時から、「キアロスクーロ(明・暗)」技法を巧みに使うバロック期ネーデルランド絵画に魅了され続けている、ベーレンス、レンブラント、そして、やはり、その代表格 光の魔術師フェルメール
ストックホルムの病院見学の傍ら、フェルメールの足跡見たさに、オランダをふらふら
憧れのマウリッツハイス美術館へ
この美術館には、ネーデルランド絵画の最高峰の絵画が間近に見られる、さらに、その内装にも圧巻される
この中でも人気が高いのは、やはり、北方のモナリザこと、
真珠の耳飾りの少女
デルフトの眺望
この二つの絵画を見ていて、人、情景を立体的に表現して、ミステリアスさを漂わしているフェルメールは「何をみて」、「何を感じ」描いたのか知りたくなり、デルフトへ。
駅を降りるときもちのいい小路が続く。
そこに、彼を知ることができるフェルメールセンターがある。
館内に入るフェイクながら、全作品のフェルメール絵画がならび、解説がされている
2階にあがると、彼が使っていた玩具が展示され、当時の玩具の歴史を知ることができる
光の魔術師の代名詞 フェルメール・ブルーと呼ばれる青い顔料は「ウルトラマリン」という宝石にも使われる高価な鉱石のラピスラズリを原料としたもので、画家にとって、顔料が大切だったことが伝わる
最後に、現代の様々な真珠の耳飾りの少女が現れ 不思議な感じながら、多様性なんだなと改めて感じた。
こういった空間を見ていると、フェルメールが実際見た町並みをみたい気持ちが沸き起こり、教会の階段をのぼり、街を眺めてみる
フェルメールも同じ風景を見たのだろうか。
教会をおりた後に、デルフトの小路へ足を運ぶ
そして、現在のデルフトの眺望
ヨーロッパの街並みに触れると、数百年の時を越えて、同じ情景を感じることができる
当時は、「光」は重要なものであり、こと、緯度の高い地域になればなるほど、その重要性は増していく。
バロック期の絵画の荘厳さは、社会が教会が中心にあり、天から注ぐ光に人々が祈りを捧げ、だからこそ、重要だったのだろう
やはり、彼らの作品に心惹かれてしまう。
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