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十牛図 #1 尋牛
「十牛図」は十枚の絵で構成されています。
最初の絵は「尋牛(じんぎゅう)」といい、いなくなった牛を探しに出るところからはじまります。
ある日、飼っている一頭の牛が牛小屋から逃げ出したことに気づいた牧人は、ただ一人で、野を歩き、川を渡り、山を越えて、その牛を探し求めています。
結論をいうと彼は無知ゆえに、牛がいなくなった理由がわかりません。
いまでは人が宇宙に行く時代になりました。
だからといって人々は本当に大事なことを理解するようになったのでしょうか。
情報を得ることは簡単にできるようになりましたが、情報と智慧は全くの別物。ただ知っているだけです。
さらに言うならただ生きているだけです。
たとえば自分の顔を見ることはできません。
鏡を使ってみることはできますが、鏡に映るのは反対の自分でしかありません。
このように、自分の顔すら見ることも、知ることもないまま生きているのです。
人が生きる三大理由は次の三つです。
1.自分とはなにか
2.生きるとはどういうことか(死ぬとはどういうことか)
3.他者とはなにか
「十牛図」の一枚目の絵「尋牛(じんぎゅう)」は、牛を尋ね探し回る私・・・・いなくなった牛は、本当の自分です。
彼は「自分探し」の旅に出かけたのです。
自分探しとは「自分とはなにか」ということであり、「自分のいのちとはなにか」ということです。
三大理由の二番目の課題である「生きるとはどういうことか(死ぬとはどういうことか)」を解決するのに、「自分のいのちとはなにか」が解らずに解決できません。
世界的ベストセラー「人生100年時代のライフシフト」でも、最初の期間をエクスプローラー期(自分探し期)に設定されています。
人は誰でも認知の歪みがあるものです。
「自分とはなにか」を考えるとき、「認知の歪み」にも気づいて、社会に入って行く前に、正すように実践してほしいものです。
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