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きつねうどん
星の王子さまは、自分の星に残してきた一本のバラが心配でたまりません。羊が食べてしまうかもしれないと思うと、頭の中はバラでいっぱいになってしまうのです。
「ねえ、ぼくの花・・・ぼく、あの花にしてやらなくっちゃならないことがあるんだ。
ほんとに弱い花なんだよ。ほんとに無邪気な花なんだよ。
身のまわりといったら、四つのちっぽけなトゲしか、もっていない花なんだよ。とっても世間知らずし、世界に立ち向かうのに役立たずの4本のトゲしか持っていないんだから・・・」
王子の前にキツネが現れます。
「きみにとって10万匹のキツネのよく似た一匹のキツネでしかないが、きみがおれを飼いならしたら、おれときみは互いになくてはならない仲になる。きみはおれにとって世界でたったひとりの人になるんだ。おれもきみにとってたった一匹の・・・」
賢者の化身であるキツネの言葉に王子は「わかってきた」と言います。バラの花についても同じ道理だと覚ります。
そしてキツネは、王子と別れ際に簡単だけど大事な秘密を言います。
「ものは心で見る。肝心なことは目では見えない。きみがバラのために費やした時間の分だけ、バラはきみにとって大事なんだ。人間たちはこういう真理を忘れている。でも、きみは忘れてはいけない。飼いならしたものには、いつだって、きみは責任がある。」
王子さまは、忘れないためにキツネの言葉を繰り返します。
私はキツネうどんを繰り返し食べます。
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