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内と外
人がやる気を出して突き進むのに外的な目標は必要ではありません。
自分が抱えきれない目標はしばらくすると執着になりますが、簡単に抱えきれない目標は魅力的です。
試験があるから、「試験に合格しなければいけない」と思うほどに、苦しくて、苦しいほど執着は強くなります。試験という縁があるから合格、不合格という結果に苛まれます。
大切なのは自分を高めたい内的な自然な想い、慈悲・慈愛です。
外的な目標に執着した苦しみに陥ると外側から解放されたくて、より強い執着を外側に求めます、これが一方通行の依存です。
依存は双方向、つまり相互依存の関係でないと機能しないので、一歩通行の依存は断然おすすめしません。
一方通行の依存に没頭させてしまう隠された原因はいくつかあります
歪んだ親子関係(愛着への執着)
歪んだ認知(自己への執着)
ステレオタイプな価値観(受容されることへの執着)
などいずれも執着が関与します。
ステレオタイプな価値観は、社会に蔓延していて差別などの引き金になっています。
人はみんな一人ひとり、個別の子育てを経験し、個性的な認知をマスターしていますが、ステレオタイプな価値観はこれが常識だと言わんばかりの顔をして閉塞感を与えます。
「お前のいうことに耳を貸さないよ」とステレオタイプな価値観に、道をふさがれ、一方通行の依存に没頭してしまう人は、執着に囚われて「自己マスタリー(Personal Mastery)」を高める意欲が挫折している過程にある人です。
リーダーシップには、挫折から救うチャンスがあります。
「自己マスタリー」とは、自分自身が心底から望むビジョンや目的の実現に向けて、真剣に生きようとするプロセス(過程)のことで、米国の経営学者ピーター・センゲらが提唱する「学習する組織」を実現する5つのディシプリンの1つです。
「自己マスタリー」は、キャリア教育において、最も大切な基盤である「自分とはなんだ」自分を知ることを起点としています。
「自己マスタリー」つまりスキル的にも人間的にも成長したいと立ち向かっていく内発的動機づけの要因となるのが、
①自律性です。
自律性は②有能感があって機能します。
帰属意識と向学心に立脚した有能感を支えるのが③共感性(関係性)です。人との温かさのある交流から生じた他者の感情を自分ごとのように思える感性です。
共感性(関係性)は小さな成功によって育まれます。共感性を育むにはリーダーの演出(結果=原因)が必要です。
結果=原因は逆算です。つまり仕掛け(イベント)です。
ステレオタイプの価値観によって不利な判断を選択させられない仕掛けによって、これら三つが成立して内発的動機づけは可能になり、こころの在り方は再構築に向けて動き出します。
リーダーシップのないリーダー、ステレオタイプの価値観に埋没したリーダーは「内発的動機づけ」に関心がないままモチベーションをアップしようとしてインセンティブ(外的動機づけ)を用意しますが、まず成功することはありません。
自律性、有能感、共感性のどれも働かないからです。
執着に囚われて「自己マスタリー(Personal Mastery)」を高める意欲が挫折している人は、何度もステレオタイプな価値観に跪き、閉塞感を感じてきたからです。
ことごとくステレオタイプな価値観に無縁な仕掛けのダイナミックさこそリーダーの喜びなのです。
ステレオタイプの価値観に不利な判断をさせず、従わせない。自分自身もリーダーとしても最優先で大切にしたいですね、
外側に幸せはありません。
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