台風(たいふう)
「大きな台風がきます」
「よりみちしないようにね」
先生から台風のことをきいて、
たっくんはちょっとワクワクしました。
大きな台風ってどんなのかなあ・・
家にかえると、お母さんが外にあるものをかたづけたり、いそがしそうにしていました。
風がだんだんつよくなってきています。
早めにかえってきたお父さんは、かい出しに行くようです。
たっくんは、いっしょに行く!と、
お母さんがとめるのもきかずにとび出しました。
「風がつよいから気をつけろよ」
空がくらくなってきて
雨もふりだしそうです。
風にふきとばされるかも・・・
雨でビショビショになるかも・・・
たっくんは、ドキドキ、ワクワクしながら、からだをかがめてお父さんのうしろをあるきました。
夜になると、風も雨もどんどんつよくなりました。
ヒューヒュー、ゴーゴー、ガタガタ、バラバラ
だいじょうぶかなあ・・・
たっくんは、ちょっとしんぱいになってきました。
「うわっ」
へやのあかりがとつぜんきえました。
「やっぱり、ていでんしたな」
すぐにお父さんとお母さんが
ロウソクに火をつけてくれました。
お兄ちゃんは、かいちゅうでんとうを
かおの下からてらして、ぶきみなかおでたっくんをおどかしてきます。
ロウソクのあかりの下では、
はなすことばのこえもおしゃべりも、なんとなくいつもとちがうような気がします。
お父さんもお母さんもお兄ちゃんも
みんないつもよりやさしいような・・
あたたかいような・・・
ふしぎなかんじ・・・
つぎの朝、
たっくんは早おきをして外に出ました。
いつもとちがうかんじがしました。
なんか気もちいい!
たっくんは青い空をみあげました。
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