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生きるってなんだろう

皆さんは年収がいくらあるだろうか?唐突にそんな野暮なことは聞いてくれるなと今頃貴方は怒っているんだろうか。

最近とても興味深い記事を見つけた。

タイトルは年収1300万でも貧困層。

何を馬鹿なと貴方は笑っただろうか怒っただろうか、それとも何か裏があると私を勘繰っているだろうか。

正解だ。私は馬鹿であるし裏というほどでもないがこの話にはもちろん続きがある。

最後まで読まずに物事を理解することほど間抜けなことはないと思うが、何せ私も馬鹿なので題名を見ただけでこれは大したことのないものだと判断してしまうことも多い。良くないことだ。

ただ、昨日見たyoutubeで東大出身の方が問題文冒頭の三文字ほどで答えを言い当てていた。馬鹿でなければ最後まで読まずともどうにかなることもあるらしい。驚くべきことに残念ながら私にはその能力はないようだ。実に残念だと思う。

さて、前述の通り1300万円の年収があったらどう思うだろうか?私は都内の家賃6万のボロアパートに住んでいる。なんだかんだと毎月最低でも10万は必要である。年金と保険、特に楽しくもなく無理やり酒を飲まされる仕事の打ち上げに私の貯金は蝕まれている。

1300万あれば何をするだろう。

とりあえず2人で住める引越しが楽な近所の安い部屋を探して借りる、引っ越して1年分の家賃を確保、彼を日本に呼び寄せて結婚して大学に行かせたい。そして私の仕事が終わって帰宅して、2人でたまにちみちみ晩酌を家でしながらNetflixの映画にあーでもないこーでもないと論議に華を咲かせるのだ。欲を言えば冷蔵庫と洗濯機も買いたい。

今のところその夢は叶いそうもないわけなのだが、いつか私は実現するだろう。年収が1300万かどうかは神のみぞ知るところではあるが。いや、もしくは東大の彼らは知っているかもしれない。

皆様はシリコンバレーをご存知だろうか?

あの、アメリカの、Appleの、Windowsの、えーっと、と、私にとってはその程度である。なんとなくカリフォルニアの辺りだろうなという漠然とした地理だけを把握しているのみだ。ちなみにこれらが正確な情報かを私は知らない。

私と同じくタイトルを見て全てを解釈する方は、なんとなくテクノロジーの集まる街だと解釈してもらえればいい。多分、きっと、そうだ。そうであってほしいものである。私の無知を世間に露見するのはまだ早い。いや、もう遅いだろうか?

サンフランシスコで安いエリアの家の平均価格は9700万円だそうだ、しかも小さくてボロい。見かけた写真は、ド田舎の地主さんちにある蔵より小さかった。

近所の高級住宅街のオシャレな低層マンションは6700万円からだとポストに入っていたチラシには書いてあった。地下に駐車場、入口には管理人、内装もとてもオシャレだったが、ド田舎の私の実家よりは小さい、当たり前だ、ここは天下の東京様なのである。

私の実家は一戸建て庭付き駐車場つき店舗付きである。実家の私の部屋は今住んでいるボロアパートの部屋の2倍はある。コストは低層マンションの半分に達したのだろうか?今と昔でお金の価値も違う、一概には決め付けられない。

こんなボロアパートにまでチラシを運ぶ配達員の方には本当にご苦労様ですと言いたいものである。もちろん軽く大文字だけを読んで捨ててしまった。これが私が馬鹿である所以かもしれない。何かチラシの活用法でもあれば教えて頂きたく思う。

話は戻るがシリコンバレーで働く優秀なエリートたちは意外と家を持たない人も多いのだという。住所などはどうしているのだろうと思いつつもそこまで調べてみるには至らなかった。私が馬鹿である所以である。

私はふと考えてみた、親が多額の投資をしてハーバードや有名な工科大学へ行き優秀な成績を収め、やっとの思いで掴んだ一流企業の社員、年収は1300万、しかし家は買えない借りれない。会社に通える範囲の家はとてつもなく倍率が高く空きもあまりないのだという。普通の一般的な家を買うのに年収が3300万はないと行けない地域だ、1300万などはした金なのかもしれない。

そこでまたふと私は考えた。私の彼はベネズエラという国で生まれた、生粋の好青年である。穏やかで優しくて真面目に毎日仕事をして学費を自分で払って必死に学校に行っている。私にこんないい青年が好意を良せてくれるなど、詐欺にでもあっている気分であるが、生憎と搾り取れるほど私に金はないので安心して欲しい。あればあるだけ詐欺にあってあげたい気分だ。

そんな彼は今はアメリカに避難中である。

彼の母国では何時間並ぼうがいくらお金を払おうがコネがなければ薬もご飯も買えないらしい。だが、彼の母国は石油の原産国である。一説には中東地域よりも埋蔵量が多いのではないかとも言われているらしい。つい最近ガソリンをタダで政府が車に入れてくれるらしいと言っていた。バカみたいな話である。車は飯があるのに人に飯はない。

独裁政権の真っ只中で紙幣も機能せず、選挙も操作されているらしい。

生きるとはなんだろう。

私は政治に詳しくもなければ、シリコンバレーにも詳しくない。せいぜい隣の晩ご飯がカレーかなと思うぐらいが関の山である。

私は好きな仕事をして生きている。それで食ってはいけないが、それなりに別の仕事もしてどうにかこうにか生きている。

それを良いとも悪いとも思わないが、文句を言いながら薄給で、上司がキツくて、辛くて、といいつつもInstagramにハワイや韓国への旅行、六本木のレストランの写真を載せる専門の同期を見ていると、まあどの生活が楽しいかは人それぞれだなと思ったりする。

最近、実家から東京への帰路途中ふと調べてみて気づいたことは、今と変わらない家賃で地元では二階建ての2LDKに住めるということだ。

何が幸せかは誰にもわからないものなのかもしれないなあ、と窓越しの富士山を見て感傷に浸る齢23の馬鹿女。

私は明日も1300万の夢を叶えるため仕事である。


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