M2(通貨供給量)の増加と金価格上昇の関係性について深掘りして考えていきます。今年、30%上昇した金は、上がる?それとも下がり続ける?
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個人投資家が普段は見ない或いは見たことがないデータが大量にあり経済や景気、株式市場、債券市場、ドル/円、金利、コモディティなど誰でも詳しくなると思います。
M2(通貨供給量)の増加と金価格上昇の関係性について深掘りして考えていきます。
これから金は、
上がる?
それとも
下がり続ける?
M2(通貨供給量)が増加すると、金(ゴールド)の価格が上昇する可能性があります。
これは、M2の増加が経済や金融市場にさまざまな影響を及ぼし、金がその影響を受けやすい資産であるためです。
以下では、M2の増加と金価格上昇の関係性について詳しく説明します。
1. M2増加とインフレ
M2の増加は、市場に供給されるお金の量が増えることを意味します。
これは、以下のメカニズムでインフレを引き起こすことがあります:
供給されたお金が企業や個人の支出を刺激し、需要が高まる。
商品やサービスの需要が供給を上回ると、価格が上昇。
金は伝統的にインフレヘッジ(インフレに対抗する資産)とされており、
インフレが進むと投資家が金を購入し始めます。
その結果、金の需要が増え、価格が上昇します。
2. 通貨価値の希薄化
M2が増加するということは、中央銀行が通貨を大量に供給していることを意味します。
これにより、通貨の価値が希薄化(実質価値の低下)するリスクがあります。
例えば、紙幣や銀行預金が増えすぎると、同じ額面でも購入力が低下する可能性があります。
金はその特性上、通貨とは異なる価値を持つため、通貨価値の低下が懸念される局面では資産保全の手段として注目されます。
特に、法定通貨(ドルや円など)の信頼性が揺らぐと、投資家は金に資金を移す傾向があります。
3. M2の増加と実質金利の関係
M2が増加すると、金利政策にも影響を与えることがあります。
金利が低下し、実質金利(名目金利からインフレ率を引いたもの)がマイナスに近づくと、金が投資対象としてより魅力的になります。
金は利子や配当を生まない資産ですが、実質金利が低い、またはマイナスである場合、他の金融商品と比較してその欠点が目立たなくなるためです。
4. 経済不安と安全資産としての金
M2が急激に増加する局面では、経済が不安定であることを反映している場合があります。
たとえば、リーマンショックやコロナ禍の際、多くの国で大量の通貨供給が行われました。
こうした経済危機では、金が「安全資産」として投資家に選ばれることが増えます。
M2の増加が信用不安を示唆する場合、金の需要がさらに高まり、価格上昇を招きます。
5. 長期的な傾向
過去のデータを見ると、M2の増加と金価格の上昇には一定の相関があることが分かります。
たとえば、過去50年間でM2が増加し続ける一方で、金の価格も大幅に上昇しました。
これは、インフレや通貨の希薄化を懸念する投資家が、金をポートフォリオに組み込んだ結果と考えられます。
まとめ
M2の増加は、金価格に直接的かつ間接的な影響を及ぼします。
インフレヘッジ、通貨価値の低下、経済不安時の安全資産としての需要が金の価格を押し上げる主な要因です。
特に、M2が急激に増加する局面では、金の需要が高まりやすいため、
資産の一部として金を保有することがリスク分散の観点からも有効といえます。
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