げげげにんげん

人っていうのは、
なにか作り込んだ作品ののちに
人間を知ろうとする性分があるんですね。

こんな素晴らしい作品を作るのはいったいどんな人間か、、

その先に見たひとつの魂に
こんなものの考えは凡人には到底できないだとか、
こんな素晴らしいものを作る人間もまた私たちと同じように考えるのか、とか。


好きに生きてくれ、人間。

私とあなたとは決して交わらない。

私という人間は観測されずには存在できないが、
観測する私は別次元にあり、自分以外の物質をその船に乗せることはできないのだ。

どちらか、
或いはその両方が望んでも。


人というのは一生、長い夢を見ている。

その束の間の、
瞬きのあいだに、
ほんのすこし、
互いに観測できる距離まで近づいたものに。

おまえはそのものの影をみせたいか。

それが人間の愛なのか、
呼吸は苦しくなるばかり。

世界中を沸かせる映画だって、
おまえを語れはしないというのに。

最期の言葉は、自分自身のためであってほしい。

己しか映さぬ深く暗い道すがらのその中で、

相手を写してやるのがおまえの優しさか。

ひとりで生きてください、人間。


私はなにものでもないもので居続ける。

そうやって生きているというのに。

勝手に意味をつけないでくれよ。

じゃあね、またね。

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