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マルチクリエイター 竹内佐悠里|孤独になっても、救ってくれる人はいる! 【職業図鑑No.009】
働き方が多様化する昨今。厚生労働省の調査では、日本には17,000種以上もの業種があるとされています。当然、その中にはフリーランスという選択肢もありますが、フリーになる理由は人それぞれです。
今回は、映像制作会社で業務委託として働くかたわら、自身もデザイナーなどの多方面で働いている竹内 佐悠里さんをインタビュー!
「決して会社が嫌で独立したわけではない」と語る竹内さん。その理由や仕事に対する想いを語っていただきました。
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何者にもなりたくない
―― まず、竹内さんのお仕事を教えていただけますか?
あー、えーっとですね…、デザイナーでアーティスト、眉毛サロンにSNSブランディングとそれからマーケティング…。
―― まってまってまって!! めちゃくちゃ多いですね(笑)
ややこしくてすみません(笑)
個人事業ではデザイナーとして活動していまして、パッケージや携帯カバー、ロゴなんかを作っています。NO-ISMとしては主にSNSブランディングと企画、マーケティングですね。眉毛サロンもNO-ISMのお仕事のひとつです!
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眉毛サロンの集客はSNSだけでして、月間で約40名ほどの集客を1年で達成できました。そこにご来店いただいたお客様からデザインのお仕事をいただくことも、会話の中であります。
―― 超多角経営! でもなぜ手広くやられているんですか?
私は、悪い意味ではないんですけど、ひとつのことにこだわることができなくて…(笑) 興味の幅が広い、というんでしょうか? だから何でもやっちゃう(笑)
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何者にもなりたくないんです。ひとつのことに縛られたくない。もともとアーティスとの世界に対しては稼げないイメージもあったんですが、私はアーティストとビジネスを混ぜ合わせたようなものをしたくて今の形で働いています。
例えば、眉毛サロンもただサロン専門の人がやっているというのではありません。「デザイナーがする眉毛サロン」という感じで、それぞれ別々にやっているというより一緒にやっているイメージです。
―― おもしろいですね!
でも本当は何者かになりたいと思って今の道に進んだんです。結果、何者にもなりたくないってなっちゃっていますが…(笑)
だからかもしれませんが、個人事業のデザイナー「attraction」とNO-ISMの仕事を分けて考えてないんですよね。シーンによって名義が違うだけで、私は私です。
辞めて気が付いた会社の看板と自分
―― もともとデザイン関係の仕事をされていたんですか?
いえ、新卒から5年間は生命保険会社に勤めていました。就活のときにサッカー部の友人が「竹内に向いてると思う」と言って紹介してくれた会社です。
最初の3年間は営業職で、本当に楽しかった。もともと営業をしたいと思っていたので、合っていたんだなと思います。
でも、3年目に必ず部署替えがあって、私は営業から店舗配属(窓口業務)に変わったんです。それで今まで「自社商品が一番!」だと思い込んでいた私の価値観が崩れまして…。 その衝撃と営業のほうにやりがいを感じていたこともあったのか、適応障害と診断されてしまいました。
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(引用:厚生労働省「令和3年 労働安全衛生調査(実態調査)」)
営業職に戻してほしかったんですけど結局戻してもらえず、次の就職先とか何も決まっていないまま退職したんです。
―― なんと…!
辞めてから転職活動を始めたんですけど、まったく外の世界を知らないまま飛び出したのでなかなか決まりませんでした。転職エージェントの方からは「病気のことを履歴書に書いたほうが良いのでは?」と言われてそのとおりにしましたが、病気を理由に門前払いされることも…。
再就職先が見つからないまましばらく経って、心の中で「あぁ、普通には就職できないんだろうなー」という想いが強くなってしまい転職活動を辞めました。
―― そこからは何を?
自宅の近所にお気に入りのカフェがありまして、そこに入り浸って絵を描き続けました。
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転職活動を辞めたから暇すぎて(笑) 絵を描いているときは無心になって描けた。でも、まだその時は、自分の絵を売って生活しようとは思っていなかったですね。
―― 今働いている会社(NO-ISM)との出会いは?
実は今の会社の社長が大学時代に入っていたサッカー部の後輩で…。 大学には1年しかいなくて、生活拠点は海外にある人なんですけど、その人がたまたま日本に帰国したのを知りました。
で、そのタイミングで彼が主催した交流会に参加していろんな話をしている中で「絵を描いている」って言ったんですね、私が。そしたら彼が「じゃあ、ここ(会社が持つレンタルスペースの一角)に飾ればいいじゃん?」と言ってくれました。
それまで自分の絵を誰かに見てもらったことはなかったんですが、社長のご厚意に甘えて絵を飾らせてもらいました。結果デザイナーとしてのお仕事が決まって、自分の力で稼ぎたいと思うようになり、今に至ります。
―― 言い方は悪いですが「捨てる神あれば拾う神あり」ですね。
会社を辞めた後に気が付いたんですけど、自分には会社の看板があったからこそいろんな自信やできることがあったのだと思います。でもそれが退職によってなくなって、私に何も残らないことに気が付けた。
病気を理由に退職届を出して、それを受理してくれた会社にはとても感謝しています。もし引き止められて、この事実に気が付くのが遅くなっていたら…と思うとゾッとします。
みなさんに伝えたいこと
―― 竹内さんが今のお仕事で達成したい目標や夢を教えてください。
「自分みたいな人がいるよ~」ということを発信できる何かを作りたいな、と思っています。
サッカー部の総監督が今は岡山の大学で教鞭をとっていまして、ちょうど今年その方の授業を受けさせてもらったんです。その授業を受けて「大手の会社に就職しないと幸せじゃない、は違う」と気が付きまして…。
私は体育会系の部活だったこともあって、大手に行って当たり前の意識でいました。周囲もそうでしたし…。でも実際は違う。私が大学生のときに知りたかった選択肢を、ほかの人にも伝えたいなと思っているんです。
―― なるほど…。
今の私は、私を通じて何かのきっかけや自信をつけてほしいと思っています。
眉毛サロンであれば、それまで前髪で眉毛を隠していた方が、眉毛が整ったことで「前髪を作らなくなった」と言ってもらえました。それから、絵のお仕事ならスマホの待ち受けにしてもらえたことですかね?
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眉毛サロンを始めたころにご来店された、経営者と思しき方に「私、絵を描いているんです」と言ったら購入していただいた経験があるんです。応援の意味で買っていただいたのかもしれませんが、たまたま別の日に来店されたときに、その方のスマホの待ち受けが私の絵だったのが見えたときは本当にうれしかった。
サロンから自分につながった経験でもあり、私の絵とお客様が出会うきっかけになったと思うと感動ですね。
―― 竹内さんはこの「職業図鑑」で伝えたいことがあるんですよね?
私が適応障害と診断されたとき、社会から孤立してしまうイメージを持っていました。目の前が閉ざされていく、そんなイメージです。「何の道も開けないな」と勝手に思ってしまって、発症した当初は友達に会いたいという気持ちすら湧きませんでした。
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ですが、今は自分の人生を生きている実感を得て仕事をできています。出会いとご縁に助けられたなと思う反面、私みたいに何の準備ができていなくても救ってくれる人は必ずいるんだ、と言うことをお伝えしたいです。
病気とか、いろんな理由で絶望している人もいると思います。でも大丈夫です。そのことを伝えたいです!
それから、私は常にテーマが「自分であること」と「自由でいること」です。「自分であること」は、何者でもない自分の人生を生きるという意味。「自由でいること」はそのままですね(笑) とにかくそのために、自分が居心地がいい環境を自分で確立することを目指しているんです。
私のこのテーマは、困っている人の希望の光になると思っています!
―― ありがとうございます。最後に、竹内さんにとって「仕事」とは何ですか?
私にとって仕事は「自分の人生を生きていること」です。
それまでは仕事とプライベートは違う時間軸にあって、仕事のときの自分は自分の人生の一部とは感じていませんでした。フリーになってNO-ISMにお世話になっている今、仕事もプライベートも同じ時間軸にあると思います。
誰かに「仕事」という道を用意してもらわなくても、自分の足で階段をのぼっていける感覚…と言うのでしょうか? 切り離して考えず、同じ時間軸に仕事もプライベートもあるから、両方が楽しいです!
編集後記
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過去に大きな経験をされた竹内さんですが、それに落ち込んだり前職を恨んだりすることはなく「感謝」と言い続けていらっしゃった姿が印象的なインタビューでした。
傍から見たらつらい経験でも、当事者からするとそれがターニングポイントになったということもあるのだなぁと考えさせられるお話をしていただきました。
お仕事もそうですが、自分自身の経験や存在が誰かの勇気につながることを心より望んでいる竹内さん。何者にもなりたくない人は、誰かの勇気になるべくあえてその道を選んでいるのかもしれません。
竹内さんの仕事をさらに詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。
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▶ 眉毛サロン La Chic様 公式Instagramアカウント
![](https://assets.st-note.com/img/1657404025543-imYi7AqHPd.png?width=1200)
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