OBSを使ったVJのはじめかた(2025年1月現在)

はじめに

普段は名古屋にて定期開催されているゲームミュージックイベント「PAUSE」にてレギュラーDJ/VJをやっている眠(みん)と申します。
唐突にVGMDJを始めて4年、VJを始めて2年。少しづつやれることが増えてきたのを期に備忘録的に現在のVJシステムについてまとめてみることにしました。
最小限のシステムについても解説しますので、意外と簡単に始められるかもーと思っていただけると幸いです。
なお、一口にVJといっても多数のスタイルがありますが、クラブ等でエフェクトバリバリの映像を出すタイプではなく、既存の映像ソースを流すアニクラやゲームDJイベント向けの内容になります。


前提知識として

いきなりぶん投げますが、まずは下記のリンクの記事をご覧ください。

関西を中心に活躍されているDJ/VJの岸和田市民さんが公開している手法ですが、私もこれをベースにシステムを構築しています。幸いにも御本人と交流する機会もあり、その時に教えていただいたことも含めて解説していきます。

システム概要

とてもわかりやすいわかりにくい図

だいたいこんな感じです。
ノートPCとiPadをビデオスイッチャーに繋いでなんやかんしてプロジェクタやモニタに投影するといった流れですが、ここに記してあるもの全部必要かというとそうでもないので、最低限いるものとあったら便利なものに分けていきます。

いるもの

ノートPC(Win/mac)
OBS・・配信ソフト 無料←重要
HDMIケーブル(macなどHDMI出力がない場合はUSB→HDMIコネクタも)
ネット環境(現場にない場合はテザリングするかモバイルwifiが必要)

あると便利

YouTubePremium(広告がなくなる)

必要になってからでOK

iPadなどの別ソース
ビデオスイッチャ
USBSSD(映像ソースをためておける)

だいたいこれらのものがあればVJらしきことができるようになります。

セットアップ(最小構成)

1.PCにHDMIケーブルを挿す。
2.プロジェクタに繋いで接続を確認する。
3.ネットに繋ぐ。

最小構成では以上です。簡単です。

やりかた(基本)

  1. OBSのソースにウインドゥキャプチャ(非推奨の中に入っているやつ)を配置し、バウンディングボックス(表示範囲を示す赤い枠)を調節する。

  2. ソースのウィンドウキャプチャのプロパティにて[PIPAgent]PIPを設定。

  3. OBSのプレビュー内を右クリックし、全画面プロジェクター(プレビュー)内から接続しているプロジェクタを選択する。するとOBSのプレビューがプロジェクタ側にも投影される。

  4. ブラウザを立ち上げYouTubeにアクセス。動画を再生したら動画内を2回右クリックし、ピクチャインピクチャに切り替える。するとOBS側にも動画が表示されるようになる。

  5. ブラウザにて別タブを立ち上げ、YouTubeにアクセス。次に再生したい動画を検索し、表示させる。

  6. 切替のタイミングにて新しく立ち上げた方の動画を2回右クリックし、ピクチャインピクチャに切り替える。

  7. OBSの動画が切り替わる。

  8. タブを切り替えつつ動画を検索し、任意のタイミングで切り替えを繰り返す。

動画によって解像度が変わるため、ソースのウィンドウキャプチャを右クリックし、変換→変換の編集を選択。真ん中あたりにある「バウンディングボックスの種類」を「境界の内側に合わせる」に変更するとあらかじめ決めておいたサイズに動画サイズが調整されるようになります。

これってなにをしているの?

YouTubeの動画を直接流すと次の動画が検索できない(フルスクリーン画面から遷移してしまう)ため、OBSに取り込んでバックグラウンドで次の動画を検索して切り替えていくということをやっています。
具体的にはYouTubeのPIP(ピクチャ・イン・ピクチャ)をOBSに取り込ませて全画面プレビューでプロジェクタなりモニタなりに投影しているわけです。
つまり、オペレーション的にはOBS側はプレビューを表示したあと触らずにブラウザ側の操作に専念しているわけです。

プレイスタイルについて

システムが各VJ毎に個性豊かなようにその映像表現もこれといったルールはありません。
エフェクトを効かせてビジュアルで魅せてもよいですし、情報を付加してフロアの疑問に答えてもよいでしょう。
私の場合は、ゲーム実況動画に寄せた情報発信型のレイアウトを採用しています。理由として、PAUSEではマイナーなインディーゲームの曲がかかることが多く、お客さんからゲームタイトルを質問されることが多かったからです。
以下に実際に現場で表示している画面を示します。

  1. イベント名と日付+フライヤー:基本情報として左上に表示しています。

  2. 現在時刻:進行具合の把握用。

  3. タイトル:かかっている曲のタイトルまたはゲームタイトル

  4. 現在プレイしているDJの名前

  5. 入場料とワンドリンクの表記:点滅させて強調しています。

  6. サウンドレベルメーター:賑やかしのエフェクトとして入れています。

  7. VJコメント:フロアの会話や業務連絡で使用しています。
    たまに悪さもします。

これらの情報をレトロゲーム風味なフォントで配置して雰囲気づくりをしています。

追加の機器について

ビデオスイッチャ

他にVJさんがいる場合やiPadなどの別ソースがある場合、各ソースの映像をスムーズに切り替えられるようになります。交代などの際に映像を止めなくて良くなるためフロアの盛り上がりを保つことにも繋がります。
また、一部の機器には別ソースの映像をワイプで表示する機能があったります。私はこれを使って参考映像を流したりネタ画像や動画を流して悪さをするのに使ったりします。

USBSSD

アニメのOP、EDのようなよく使われそうな映像ソースを溜め込んでおくためのストレージです。
音源と異なり動画ファイルは容量を食うのでPC内に溜め込むと大変なことになります。
私はこれの導入をサボっております。

他にも小型のサブモニタや小型プロジェクタを導入するなど、スタイルや現場に合わせていろんなガジェットを組み合わせてプレイするVJさんもたくさんいらっしゃいます。必要に応じて少しづつ揃えていきましょう。
DJ機器同様に沼る要素です。

さいごに

導入から実際のオペレーションまでつらつら書いてみましたが、ノートPCがあれば基本無料で試すことができますし、OBSを触ったことがある方ならより導入はしやすいかと思います。
VJは慢性的に不足していますからぜひこの機会に始めてみてください。
楽しいですよ?(圧

おしまい(つづくかも)

ところで悪さって?

ちょっとモテそうなプレイしているナイスなDJにチャチャ入れたりするんだよ。
あとは〇〇モンに動画にワイプで〇〇ワールドのワイプ入れたりな!


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