バラエティ番組「このテープもってないですか?」がとにかくすごかった
年末BSテレ東でやっていた、「このテープもってないですか?」をTVerで視聴
いとうせいこうさんと元仮面ライダーの井桁弘恵さんが視聴者から提供してもらった懐かしのバラエティ番組を見るという趣旨の番組
令和ではあり得ない、いわゆる少し際どい昭和のバラエティ番組
「坂谷一郎のミッドナイトパラダイス」という番組が3夜にわたって展開される
詳しくはニコニコ大百科をチェックしてもらえるとわかりやすいと思う
今もTVerで絶賛配信中の上記番組、年始の初笑いにいかがだろうか
※ここからネタバレ
と、いうのは全くの出鱈目で、実はこの番組は完璧に計算し尽くされたホラー番組である
実は「坂谷一郎のミッドナイトパラダイス」なんて番組は存在しない
3夜に渡ってお届けされるのは楽しいバラエティなんかではなく、徐々に狂っていくミッドナイトパラダイスの出演者達、投稿される邪悪なビデオテープ、そしてそれを何の躊躇もなく受け入れるスタジオの3人、徐々に崩れていくテロップ、そしてスタッフロールまでもがおかしくなっていく
この番組を見ている「自分だけ」が狂っていない世界が強制的に作り出されてしまう、テレビという媒体を大胆に使った壮大なモキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)なのだ
これをわざわざ3夜にわたって行うというのもかなり挑戦的だ
番組公式ツイッターにももちろん仕掛けが隠されている
この写真をぜひ、ズームしてみてほしい
きっとゾッとするだろう
わざわざ存在しない番組のニコニコ大百科まで作り込み、公式ツイッター、TVerすらも巻き込んだとんでもない壮大なホラー番組
何より面白いのがこの番組をリアルタイムで、事前情報なしに見た人たちの反応だろう
さぞ怖かっただろうに違いない。狂っているのは自分だと思わされるのだから
ドラえもんで「タレント」という幻の回が存在した、という都市伝説がある
作画崩壊し、話も支離滅裂、そしてかなり鬱々とした回で、存在しないはずの回なのに複数の視聴者が存在するという内容だ
他にもラピュタでは幻の別EDが存在するとか、そういった幻の回に関する都市伝説はこの世に何個かある
もしかしたら、将来この番組もそういった都市伝説の一つになるのではないだろうか、と期待に胸が膨らむ
がしかし、SNS時代、というのもあり、すぐにタネが割れてしまった。
が、こういったテレビ局が都市伝説を作るという試みをこの令和にするというのが本当に素晴らしいアプローチだと思った
番組ではなく、体験を提供する
ショート動画やyoutube時代の中でのテレビもまだまだ戦えるんだなと思わされた2023年年始だった
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