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2024年上半期に見た映画の話

を、したいからする。
色々とプライベートの予定が被っており、例年ほど映画を見れていない今年のスタートだったが、集計したらまあ、そこそこは見ていたので、その中で特に良かったぜ&印象に残ったぜな映画を書いていくんだぜ。


1本目 デューン 砂の惑星PART2

知ってる人はもちろん知っている名作SF、DUNEの再映画化版の2本目。

正直、1本目の映画公開時はドゥニ・ヴィルヌーヴが大好きだったこともあり、公開初日に見に行ったが、あまりにゆっくりと進む話に抗えずに寝てしまった。

ので、正直2は保留かなと思っていたのだが、まあ、せっかくだし
フローレンスピューが出るし、という邪な気持ちで見にいくことに。

結果、かなり満足

DUNE1は本当にプロローグのプロローグで、例えるなら、小説「モンテクリスト伯」でエドモン・ダンテスが獄中に送られるまでの話。
そして2は壮大な復讐劇となっている。
なので、1が微妙で2が面白いというのはある意味正しい構成なのだ。

特に何が良かったかというと、これは1の時もそこは良かったのだが
とにかく映像が美しい。
どのシーンを切り取ってもまるで美術館に飾られている絵のようで、それを見て息を呑むのであった。

話の構成も美しく、リアルとファンタジーの融合具合はまるで神話を見ているかのようだった。

まさかの前作からまるっと評価が代わり、自分自身も驚いている今作は、早くもベスト候補にあがったのだった。

2本目 DOGMAN ドッグマン

完全ノーマーク。

何かの映画を見に行ったときか、ちょうど予告で流れており、
はじめは「リュック・ベッソンが犬の覆面を被ったヒーローの映画でも撮ったのか」と思ったくらいだったが、後日公開後に知り合いから勧められ見に行き、度肝を抜かれたのだった。

この映画はジョーカーやタクシードライバーを彷彿とさせるダークヒーローものでもあり、なおかつ、それらに備わる哀愁が漂う素晴らしい映画だった。

犬と一緒に育てられた青年は、下半身付随になり、それでも一生懸命世間に馴染もうとするが馴染めず、最終的には犬と一緒に義賊まがいのことをして生きていくのだが・・・。

エンタメとしても面白いのは当然ながら、何よりも素晴らしいのはやはり
主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズだろう。

セレブの肉を食べることがステータスの世界が舞台の超変態映画の主演や

実在した銃乱射事件の犯人を演じたニトラム。

この2作でも思ったことが、彼は役としてではなく、まるで実在するように振る舞うことができるということ。

全てが迫真の彼の芝居はいつも「気分が悪くなるくらい」に素晴らしい。

近年では一番一押しの俳優。

ぜひドッグマンを見てケイレブくんに興味が湧いた人は「アンチヴァイラル」と「ニトラム」も見ていただきたい。

3本目 パスト ライブス/再会

端的にいうと、「僕、初恋の人に会いに海外にいくよ。でもその人は普通に旦那もいるよ。でも会いにいくよ」

という話である。
まあ、映画だったら初恋の人に会いに行ったらお互いノリに乗っちゃってその場のノリで二人で・・・みたいな残された旦那のことは何も考えいないのかよ。みたいな展開が予想されるが、、、

それは見てのお楽しみというとこで。

まあとにかくこの映画をみていると、残された旦那の方に同情しまくってしまうのだよ。
劇中、彼が「初恋の人とポッと出の僕。ドラマチックなのはどう考えても前者だ」
とかいっちゃうのがもうかわいそすぎて。

観客の自分まで
「おい、彼を泣かせたらお前ら両方とも容赦しねえからな」
と思って見てしまったのだった。
自分も彼みたいな自分に自信がないタイプなので、本当に気が狂いそうになるくらい頷いてしまうのであった。

この映画はとにかく色味が良く、それを見ているだけでも心のデトックス効果があるのだが、旦那の気持ちを考えるとまたハラハラしてしまい、その癒しが中和されてしまうのだった。

ただ、それも心地よく感じるようないい映画だった。


結末は・・・

4本目 辰巳

Twitterで流れてきて面白そうだったから即見に行ったが、かなり当たりの映画だった。

主人公・辰巳が殺されてしまった恋人の妹・葵を守るために奔走するというあらすじで、裏家業おじさんが成り行きで女の子のために頑張る系映画というと、似たような題材だと「レオン」とか

「ローガン」とか

割とあるんだけど、この映画も似たようなジャンルではあるが、とにかく守るべき少女の葵が最初から憎たらしすぎるのがポイント。
マチルダやローラが可愛く見えるくらい(まあ実際かわいいんだけど)とにかく憎たらしいのである。

その効果もあり(?)後半は胸が熱くなる映画だった。
そして主人公・辰巳がとにかくかっこいい。
ワイルドであり、キレやすく、まるで子供のような辰巳だが、〆るときはしっかりと〆るかっこいい漢なのである。

そのほかのキャラクターもキャラ立ちがしっかりしており、ストーリーも王道でありながら、セリフ回しや演出で飽きさせない。
新時代の日本ノワールの幕開けを感じる映画だった。

おすすめです。

と、特にこの4本がかなり印象に残った上半期であった。

5本目 仮面ライダー555(ファイズ) 20th パラダイス・リゲインド

僕の人生の5分の1くらいを形成した仮面ライダーファイズの正統続編。
公開日朝イチで見に行ったほどである。

そもそも仮面ライダーファイズがなぜこんなにも好きなのかというと、当時ライダーシリーズとしてかなり挑戦的な内容だったから。

知らない人に端的にファイズのあらすじを説明すると、謎の怪物オルフェノクが存在する世界が舞台。しかしそのオルフェノクは元々、一度死んだ人間であり、その力を誇示し、人間を支配するものもいれば、怪物でありながら人の心を忘れず、共存しようとする個体もいる。

今作は人間サイドと人間と共存を目指す怪物サイド、そして世界を支配しようとする怪物サイドのお話である。

そこに仮面ライダーファイズという要素が入るのだ。

ファイズはオルフェノクに対して有害な毒を持った戦士でもあり、ベルトがあれば誰でも変身できる。

つまり、人間サイドの人間がファイズに変身する話もあれば、共存怪物サイドの人物がファイズに変身することも、なんなら敵の怪物がベルトを主人公から奪い、ファイズに変身するということもザラ

脚本の井上敏樹氏も話していたが、この物語の主人公はライダーに変身するためのベルトというくらい、かなり自由度の高い作品なのだ。

それだけでも画期的なのに、2号ライダーはヒロインが好きすぎて主人公を殺そうとするヤンデレだったり、裏切りだったり、大量殺人だったり、と子供の頃の自分には新鮮であり、なんなら普通に怖すぎた作品でもあった。

しかし、胸が熱くなるような名台詞、脚本の伏線回収の見事さ、携帯電話で変身するというアイデア(好きすぎてスマホの暗証番号と変身コード同じ)などは少年心をくすぐり、毎週日曜はいつもドキドキしながらテレビの前で待っていたものだ。

そして今をときめく俳優、綾野剛氏や藤田玲氏なども出演しており、うちのオカンもそのイケメン具合、ドロドロ具合にハマったものだった。
なんなら俺よりもハマった気がする。

これを見てちょっと興味が湧いたならぜひTVシリーズを見てほしいが、50話くらいあるので少しハードルが高いかも。
それでもファイズのドロドロ具合が楽しみたい人には映画1作目、パラダイス・ロストをおすすめする。

こちらはテレビシリーズと同じキャラクターではあるが、世界観が微妙に異なるので、これ一本で完結する内容となっている。
し、結構陰鬱。

今でこそ仮面ライダーの映画はお祭り!って感じだが、平成初期はどれも暗くて、いつも親と見に行って、二人とも無言で劇場を後にしていた。

ていうかあれだな・・・脚本の井上敏樹のせいで暗くなってるなこれ

そんなファイズの続編ということで見に行ったパラダイス・リゲインド。
はこれまでの陰鬱とした展開とは変わり、コメディ要素があり見やすかった。

正直映画として、話としては「ん〜」と思うところがあったけど、当時のキャラクターが当時の俳優で、元気そうに動いているだけで、満足だったよ私は。
次は30周年で会おう。

終わりに

とりあえず5本の映画をチョイスしたけど、それ以外にも良かったのは何本かある。

デデデデは前後編泣いたし。
あのちゃんの芝居で泣かされる日が来るとは思ってもなかったし。

ハッピーアワーはお友達に誘われてオールナイトで見に行ったがかなり面白かった。
一本で4時間という驚異的な長さで、お友達は眠そうにしてたけど、その体験も含めて最初から最後まで楽しく見ることができた。
誘ってくれて感謝しかしてない。お友達はちょっと眠そうにしてたけど。

これも前述のお友達と見に行ったけど、こっちは逆に自分が眠くなってしまった。
けど、その淡々とした実験映像みたいな内容と意外な結末はとても映画として好きだった。

同じジョナサン・グレイザー監督のVirtual InsanityのMVが大好きなのもある。
もちろんアンダーザスキンも好きだし

でもそれでも関心領域はちょっと眠くなっちゃった。
彼の映画は観に行くというより、入れに行く感じなんだなあ。

犯罪を犯したら、クローンが代わりに罰を受けてくれる島を舞台にしたバカンス犯罪映画、インフィニティ・プールも最高によかった。

前述した、アンチヴァイラルの監督、ブランドン・クローネンバーグの新作。
前作ポゼッサーも好きだったがこっちの方が好きかも。

リマスターで言うとレザボア・ドッグスを劇場で見れたのは嬉しかった。
今でもこの曲を聴きながら出社したりするよね。
もしコードネームがあるならMr.バイオレットとかがいいな。

7月はデップーや、ルックバックなんかもみにいったけど、こっちはまた今度書こう。

ともかく、2024年前半もかなり豊作。
後半は

とか

とか

あたりが楽しみかも。

これらの作品が劇場で元気に見られるように、これからも頑張って生きていこうと思う。

ありがとう、上半期。

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