リンパの腫れ 菊池病になった話
高3の12月、受験勉強も大詰めを迎えていた頃に体調がおかしくなった。
平日は学校の休み時間も勉強、放課後は塾へ。土日も塾で勉強をし、模試を受ける。夜ご飯は10時過ぎに食べて、寝るのはゆうに日付を越し、学校に行くために7時に起きる。もともとロングスリーパーな私は、そんな生活を何ヶ月も続けずっとストレスや疲れを感じていた。
11月から12月にかけての模試ラッシュで、3週連続で模試を受け終わった次の日の夜、ついに限界を迎えた。
全身にわたる症状
頭痛、リンパの腫れ、肩の痛み、腰痛、胃痛、倦怠感、便秘、耳鳴り。
勉強しなきゃいけないのに、体が動かなくて動けなくて、情けなくなってつらくて涙が止まらなくなった。泣きながら母に打ち明け、マッサージしながら慰めてもらった。
とりあえず次の日は学校を休むことにしようと話をしてその日は寝た。
次の日、37度ほどの発熱があった。
例のごとく身体中痛くて動けなかった。
コロナがまだ流行していたので検査をしに発熱外来へ向かい検査を受けた。
翌日、39度後半の発熱で首が回らないほどにリンパが腫れていた。
検査の結果はまだ出ていなかったが、これはさすがにコロナやインフルではない気がすると思い、よく通っていた耳鼻咽喉科の先生に連絡し、状況を説明した。すると先生は、今の段階では何も分からないけれども、もし首の腫れが悪性腫瘍もしくは菊池病の場合、早めに大きい病院に行くべきだと素早く紹介状を書いてくれた。
大きい病院へ行く
早速病院へ向かい診察してもらった。その頃には、鎮痛剤が切れれば待合室で座っているだけで体が激痛で、横になっても痛くて地獄だった。首も痛くて頭を支えられないし、何かスマホで見て気を紛らわすことすら出来ない。
病院では、血液検査とエコーでリンパの腫れを見てもらい、腫れが悪性かどうかまず判断された。結果悪性ではなさそうとのことで、まずひと安心。次に菊池病が疑われた。しかし菊池病は、血液検査だけで菊池病だと断定することが出来ないため、とりあえず様子見することしか出来なかった。
まともに寝れない食べれない2週間
この時いちばん辛かった症状が、朝の3時に悪寒で目が覚めることであった。夜ご飯の後に飲んだ鎮痛剤の効果が切れ始めるのである。
暖房が入っているのに、もはや外にいるかの様な寒さで目が覚め、痛い体にムチを打ち近くに用意していた毛布を体にかけまくる。体がブルブル震えて、歯がガタガタして寝ることも出来ず2時間ほど耐え抜くと熱が上がりきって震えが止まり、今度は汗をかき始める。かけた毛布をはいで体温調節をして、寝ようとすると鎮痛剤がきれているので、頭と体がすこぶる痛く寝返りも打てない。またしてもまともに寝ることが出来ず、朝ごはんの時間になるまで耐え抜く。ようやく7時になれば鎮痛剤とともにご飯を少し食べ、眠りにつく。
この状態が2週間程続いた。もう地獄以外のなにものでもなかった。
また、この頃食べると気持ち悪くなってしまうので、ご飯が全然食べれていなかった。
病院でご飯が全然食べれていないことを伝えると、入院ですと言われてしまった。
詳しい検査を受けるとともに栄養を摂るために入院することになった。
入院中はコロナのせいで面会禁止だったため、家族とも会えないので寂しすぎて初めの3日間程ずっと泣いていた。クリスマスも病院で過ごした。1週間程入院し、ご飯がだんだん食べれるようになったので退院することができた。しかし、その他の症状は何も変わっていなかった。
大学受験できるのか?
この時点で、共通テストまで3週間を切っていた。このまま、症状が改善せず発熱し続けると、コロナ対策のおかげで共通テストを受させてもらえないリスクが大いにあった。そこで、自然治癒は諦め、ステロイド治療をすることになった。
ステロイドを使い始めて1週間程で熱がようやく下がり始め、共通テスト1週間前に平熱に戻ることが出来た。
ラスト1週間は、できないところをできるようにするのではなく、自分の実力を最大限に発揮出来るようにするための勉強をした。
病み上がりではあるものの、無事共通テストを受けることができた。そして結果は、まさかの自己最高点であった。本当に嬉しかった。
その後、体調は徐々に回復し、学校にも1月の後半から体に負担をかけないために週3で通った。2次試験も無事に受けることができ、結果行きたい大学に合格することができた。
ようやくついた診断
結局、熱が下がったところで、リンパに針をさして細胞をとりだして検査したところ、リンパが壊死していたので、おそらく菊池病でしょうということで結論着いた。
現在、発症してから約1年経ったが素晴らしいほどの健康体である。たまに体調を崩した時にリンパが腫れていないか怖くなることはあるものの、あれ以来リンパは腫れていない。
私の場合上手くいったのでこんなに堂々と文字にできているが、上手くいっていなければ一生菊池病のことを恨み続けていたと断言できる。
病気に関する情報が少ない
入院していた時、菊池病について調べていたが、情報は少なかったし、調べても自分のこれからの未来に参考にすることも出来なかったため、不安が膨らんだし、明るい想像もできなかった。
今回、この話を書こうと思った理由はその情報の少なさにある。もっと治った人の情報や病気についての詳しい情報があれば、少しの安心材料になったのではないかと思うし、自分だけじゃないと思えた気がする。だから、この私の体験談を読んで、菊池病と戦っている人の励みになればと思う。
菊池病の原因については、ウイルス性や自己免疫異常など色々言われているが、よく分かっていないのが本当らしい。これはまったくの持論だが、他の菊池病になった人の話なども読むと、私と同じく忙しいストレスフルな生活をしていた人が多いことがよく分かる。根拠は無いが、やはり過度なストレスが発症の一端を担っているような気がしてならない。
ストレスは本当に体に良くない。
これを読んでくれた人には、ぜひ自分をいたわって日々を過ごして欲しい。
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