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みんコレ!医師国家試験 予想問題(臨床問題編) 第7問

みんコレ!事務局が作問した医師国家試験の予想問題です。
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問題

58歳の男性。かかりつけ医にて、腹部超音波検査で肝右葉の直径5cmの結節を認めたため紹介され、研修医が担当となった。現症:意識は清明。体温36.5℃。脈拍 70/分、整。血圧150/80mmHg。血液所見:赤血球402万/μL、Hb 11.9g/dL、白血球3,300/μL、血小板4.9万/μL。血清生化学所見:総蛋白5.3g/dL、アルブミン2.7g/dL、総ビリルビン4.2mg/dL、直接ビリルビン2.6mg/dL、AST 53U/L、ALT 45U/L。鑑別のために肝生検を行い、肝細胞癌の確定診断となった。外科・内科・放射線科など、多科が出席するカンファレンスで、今後の治療を相談することにした。
肝細胞癌治療アルゴリズムによる治療選択のために必要な追加検査として、誤っているものはどれか。

a:プロトロンビン時間
b:FDG-PET
c:腹部造影MRI
d:PIVKA—II



≪この下は正解・解説です≫






解答

d:PIVKA—II

解説

肝細胞癌治療アルゴリズムに関する出題は頻出である。必要な検査がされていない場合は、患者さんに予定外にご足労願わないといけない状況も考えられ、その負担は大きくなってしまう。実臨床でも、どのような検査をしておけばいいのか、今後の流れを把握したうえで、オーダーを組むのが大切である。

a:正しい。治療アルゴリズムでは、まず肝予備能をChild-Pugh分類で評価する。肝性脳症・腹水・総ビリルビン・アルブミン・プロトロンビン時間から成り、総ビリルビン・アルブミンが含まれる生化学検査と、プロトロンビン時間が含まれる凝固系検査は、提出するスピッツが違うため、実臨床で片方が提出されていない事態は起こりうる。
b:正しい。治療アルゴリズムでは、Child-Pugh分類がAかBの場合、肝外転移の有無で治療が分かれる。危険因子を有する場合、胸部CTやFDG—PETの施行が推奨されている。
c:正しい。治療アルゴリズムでは、Child-Pugh分類がAかBで肝外転移がない場合、脈管侵襲の有無や腫瘍数、腫瘍径で治療が分かれる。その評価のため、腹部造影MRI、腹部造影CTなどの施行が考えられる。
d:誤り。治療アルゴリズムでは、PIVKA—IIの記載はない。ちなみにAFPは肝移植を検討する際の、5—5—500 基準に含まれる。

参考文献:
日本肝臓学会編:肝癌診療ガイドライン2021年版


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