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みんコレ!医師国家試験 予想問題(臨床問題編) 第1問

みんコレ!事務局が作問した医師国家試験 予想問題です。
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問題

70歳の女性。労作時の呼吸困難を主訴に来院した。喫煙歴はない。夫が数年来加熱式たばこを使用しており、「タバコのない人生なんて」と話している。身長151cm、体重44kg。脈拍88/分、整。血圧135/80mmHg。呼吸数22/分。SpO2 94%(room air)。頸部の胸鎖乳突筋が肥厚し、吸気時に肋間や鎖骨上窩の陥入を認める。胸部の聴診で呼吸音が減弱している。下腿に浮腫を認めない。心エコーで異常を認めない。胸部エックス線写真で肺の過膨張所見を認める。気管支拡張薬吸入後の呼吸機能検査は、FVC 2000mL、%FVC 100%、FEV1 1000mL、%FEV1 40%であった。検査所見や今後の方針について、誤っているものはどれか。

a:気管支拡張薬吸入後の1秒率は50%である。
b:生活歴の入念な聴取が必要である。
c:加熱式たばこは有害ではあるが、副流煙はない。
d:禁煙の行動変容モデルにて、夫は「無関心期」である。


≪この下は正解・解説です≫


解答

c:加熱式たばこは有害ではあるが、副流煙はない。


解説

○a:FEV1/FVCで算出され正しい。この値が70%以下であることがCOPDの診断基準の一つである(日本呼吸器学会編:COPD診断と治療のためのガイドライン2018 第5版)。
○b:COPDの外因性危険因子には、タバコ煙、大気汚染物質の吸入、バイオマス燃焼時の煙の吸入、職業性の粉塵や化学物質への曝露、受動喫煙、呼吸器感染症、社会経済的要因がある(日本呼吸器学会編:COPD診断と治療のためのガイドライン2018 第5版)。受動喫煙は疑われるものの、複合要因の可能性も考えられる。他の要因があれば、今後の治療にも関わるため、必要である。
×c:解剖学的死腔からの呼出煙が発生するため、副流煙は発生する(日本労働安全衛生コンサルタント会編:受動喫煙防止対策ガイドブック) 。
○d:「無関心期」「関心期」「準備期」「実行期」「維持期」の5つのステージに分けられ、ステージに合わせた医療者側の対応が、禁煙の達成に重要である(日本循環器学会編:禁煙ガイドライン 2010年改訂版)。

総説:
フーバー徴候などからはCOPDが強く疑われ、胸部エックス線写真や呼吸機能検査でも矛盾しない。ただし喫煙歴はなく、その原因検索や、他疾患も想定した精査が必要である。


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