みんコレ！医師国家試験 予想問題(臨床問題編) 第9問
みんコレ！事務局が作問した医師国家試験の予想問題です。
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問題
51歳女性、右乳癌（T1aN0M0、エストロゲン受容体(ER) (+)、プロゲステロン受容体 (PgR) (+), 上皮成長因子受容体2 (HER2) (-)、Ki-67 5%）に対して乳房温存術及びセンチネルリンパ節生検が行われた。センチネルリンパ節は陰性。乳房検体も病理学的に断端陰性、核Grade1、脈管侵襲なしであった。今後の治療方針として行う可能性が高いものを2つ選べ。
a：乳房全切除術
b：ホルモン療法薬投与
c：抗HER2薬投与
d：放射線治療
1)a, b 2)b, c 3)b, d 4)c, d
≪この下は正解・解説です≫
解答
3)b, d
解説
乳房温存術後は基本的に温存乳房への放射線治療を行い、ホルモン受容体陽性の場合はホルモン療法を加えます。今回はHER2陰性のため、抗HER2薬は使用しません。
再発高リスクの場合は化学療法の追加を考えますが、Ki-67低値、断端陰性、核Gradeも低く、脈管侵襲もないため今回は再発低リスクと考えられます。Ki-67について具体的なカットオフ値はありませんが、“高いとがんの増殖能が強いので悪そう”と覚えておくとよいかもしれません。核Gradeは1～3まであり、3が最も悪性度が高いです。
a：誤り。断端陰性であり、全切除は少なくとも現時点では不要です。
b：正しい。ホルモン受容体陽性であり、投与が推奨されます。
c：誤り。HER2陰性であり、推奨されません。
d：正しい。温存術後は基本的に全例行います。
参考：乳癌ガイドライン2022 治療編
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