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みんコレ!医師国家試験 予想問題(臨床問題編) 第11問

みんコレ!事務局が作問した医師国家試験の予想問題です。
第117回の医師国家試験委員になった先生方の専門や論文等の情報を元に作問しています。ぜひチャレンジしてみてください。
問題はTwitterアカウントでも発信しています。
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問題

18歳の男性。発熱と咽頭痛を主訴に来院した。3日前から38.5℃の発熱と咽頭痛が出現した。昨日から全身倦怠感、食欲不振を伴うようになり、食事や水分が摂りにくくなったため受診した。意識は清明。体温38.8℃。脈拍118/分、整。呼吸数22/分。両側の頸部に径2cmのリンパ節を3個触知する。リンパ節は表面平滑、軟で、圧痛なく可動性良好である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に軟らかな肝を3cm、左肋骨弓下に脾を2cm触知する。皮膚緊張度の低下を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球460万、Hb 13.5g/dL、Ht 39%、白血球12,800(好中球30%、好酸球1%、好塩基球1%、リンパ球56%、異型リンパ球12%)、血小板22万。血液生化学所見:総蛋白6.4g/dL、アルブミン3.8g/dL、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、総ビリルビン0.8mg/dL、AST 235U/L、ALT 185U/L、LD 650U/L(基準277~580)。咽頭の写真を別に示す。

出典106A45

初期治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
a:ペニシリンの投与
b:アセトアミノフェンの投与
c:口蓋扁桃摘出術
d:補液
1)a, b 2)b, c 3)b, d 4)c, d

≪この下は正解・解説です≫







解答

3)b, d

解説

若年者の発熱、咽頭痛である。画像では両側の咽頭扁桃に白苔が付着している。軟らかく圧痛のない頸部リンパ節腫脹と肝脾腫、異形リンパ球の出現から伝染性単核球症(IM)が考えられる。
a:IMに対してペニシリンの投与は皮疹を惹起するため禁忌。絶対に選ばないように!
b:正しい。主訴発熱とあることから症状を和らげてあげよう。
c:IMに対して口蓋扁桃摘出術はやりすぎ。初期治療としてはふさわしくない。
d:正しい。昨日から水分摂取ができていないこと、皮膚緊張度(ツルゴール)が低下していることから補液をして脱水を進行させないようにしたい。

IMはここ5年で毎年何かしらの形で出題されているほど頻出である。したがってこの問題を間違えた方は必ず復習するようにしよう。
IMの治療で大事なのは、特異的治療はなく原則対症療法となることである。よってIMの治療を聞かれたときは主訴に着目してあげよう。今回は発熱と咽頭痛とあるためアセトアミノフェンが正解になる。また昨日から水分摂取不良なことと皮膚緊張度(ツルゴール)低下から脱水が示唆されているので補液が正解となる。
困ったときは主訴に立ちかえろう。そうすれば迷った問題に対して答えが得られることがある。

参考107A52, 106A45, 115D45, 116D58
画像の出典は106A45


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