「タワマンはクソだ!」と住人にブチ切れるデリバリー配達員の言い分…「睨みながら伸びたツケメンを渡す」
(オリジナル記事はみんかぶマガジンで2022年11月5日に配信したものです)
前回の記事 月40万稼ぐフード配達員「ライス落としたら炊飯器から補給」「さび抜き寿司にわさび塗る」裏技の是非 で、「ルールさえ守らなければ月に40万円など楽に稼ぐことができる」と倫理観に欠ける裏技の数々を自慢げに話したフード配達員のマモルさん41歳(仮名・男性)。今回はタワマンへの恨みつらみを打ち明けてくれた。
健康な体と自転車(またはバイク)さえあれば、簡単に仕事を始めることができるフード配達員。緊急事態宣言などによる外出自粛でその需要が高まったこともあり、コロナ禍が原因で職を失った人々にとってはセーフティーネットのような存在にもなった。配達員の数は15万人にものぼるという。そんな配達員の多くはタワマンを忌み嫌うそうだ。マモルさんは、「タワマンはクソだ」と吐き捨てる。
フードデリバリー配達員たち(下々の人間)は、リッチマンたちのエレベーターに乗ることが許されない
「雨が降った日に配達をすればな、たしかに全身ずぶ濡れで悲惨なことになるけど、その報いとしてボーナスが入るからまだいい。最悪なのは配達先がタワマンだったときなんだよ。レジデンス、シティ、パーク、フォレスト、そういう字面が住所に入っているとピクっとなる」(40代フード配達員マモルさん、以下同)
タワマンへ配達に行く場合、配達員たちはまずロビーの受付に立っているコンシェルジュに用件を伝え、入館時間と会社名と氏名を書くことになる。この時点ですでに2~3分が経過。一件あたりの時間をいかに短縮するかが収入に直結するので、配達員たちは時間にシビアにならざるをえないのだ。夏のある日、マモルさんが神宮前の億ションに台湾の家庭料理「魯肉飯(ルーローハン)」を届けに行ったときのことだ。
「コンシェルジュが案内したのは目の前にあるエレベーターじゃなく、ボイラー室の奥にある業者用エレベーターだった。俺たちみたいな下々の人間はリッチマンたちが乗るエレベーターは使っちゃいけないらしい。ファミリー層が多いエリアのタワマンで、リッチマンがペットの犬たちと同じエレベーターに乗ってるのを見たことがある。俺らは犬畜生以下か!」
唯一の救いはコンシェルジュが「マモル様」と様付けしてくれることだ。また、タワマンに住んでいるだけあって配達員にチップをくれる余裕がある住人も多い。「安いアパートに住んでいるような人間とは違って教養があるよなぁ」とマモルさんは少し冷静さを取り戻したが、怒りは収まらなかった。
「俺は東と西がわからねえんだよ」と、フード配達員はスマホを床に叩きつけそうになった
住んだことがある人ならわかるかもしれないが、タワマンというのは部屋ごとにエレベーターが分かれていることが往々にしてある。混雑や渋滞を避け、住人たちがより快適な日常生活を送れるようにするための配慮であるが、配達員たちにとっては時間のロスを生む要因となる。
ここから先は
¥ 500
Amazonギフトカード5,000円分が当たる