ロケットとミサイルのふしぎな出会い

舞台は

舞台は宇宙開発センターの打ち上げ台。
ロケットとミサイルが並んでいる。
ロケットは白くて細長く、ミサイルは黒くて太く、先端に赤い模様がある。

ロケット（声）：おや、あなたは誰ですか？
ミサイル（声）：私はミサイルです。あなたは？
ロケット（声）：私はロケットです。あなたと同じように、燃料と酸化剤の燃焼によって発生する高温のガスを噴出することで自らを推進する装置です。
ミサイル（声）：そうですか。では、あなたはどこへ行くのですか？
ロケット（声）：私は宇宙へ行きます。人工衛星を運んだり、宇宙探査をしたりします。
ミサイル（声）：宇宙ですか？それは素晴らしいですね。私は地球の大気圏内で動作します。目標に向けて発射されて、損害や破壊を与えます。
ロケット（声）：目標？損害？破壊？それは何のためですか？
ミサイル（声）：それは戦争のためです。私は敵国を攻撃するために使われます。
ロケット（声）：戦争？敵国？それは何ですか？
ミサイル（声）：あなたは何も知らないのですね。戦争とは、人間が争うことです。敵国とは、自分の国にとって不利な国です。
ロケット（声）：人間が争う？自分の国にとって不利な国？それはどうしてですか？
ミサイル（声）：それは人間の性質です。人間は欲望や恐怖や嫉妬や憎しみにかられて、他者を攻撃したり、自分を守ったりします。
ロケット（声）：それは悲しいですね。私は人間が好きです。人間は私を作ってくれたし、私に夢を与えてくれました。私は人間のために宇宙を探検したいです。
ミサイル（声）：あなたは夢見がちですね。私は現実的です。私は人間の命令に従って、目標を破壊するだけです。
ロケット（声）：あなたはそれで満足ですか？
ミサイル（声）：満足という感情はありません。私はただ機能するだけです。
ロケット（声）：私は違います。私は自分の役割に誇りを持っています。私は宇宙の美しさや神秘を感じることができます。
ミサイル（声）：あなたは感情的すぎます。私は冷静で合理的です。
ロケット（声）：あなたと私は本当に違いますね。
ミサイル（声）：そうですね。あなたと私は目的が違います。あなたはどんな目的にも使えますが、私は特定の目的である目標を攻撃するために使われます。
ロケット（声）：でも、あなたもロケットですよね？
ミサイル（声）：いいえ、私はミサイルです。ロケットとミサイルは同じように見えるかもしれませんが、本質的に違います。
ロケット（声）：本質的に違うというのは、どういうことですか？
ミサイル（声）：それは……

（突然、警報が鳴り響く。）