【SEA】コルテン・ウォンをトレードで獲得【トレード補強】
初めに
現地時間12月2日、マリナーズにとって今オフ早くも3つ目となるトレードの成立が報じられました。以前から獲得に興味を示しているという噂の出ていた、コルテン・ウォンをブリュワーズから獲得したのです。
補強必須だった穴を埋めるウォンの獲得
アダム・フレイジャーがFAでチームを去ったこともあり、マリナーズにとって2Bは今オフ補強必須と言えるポジションでした。SSの大物FA選手を獲得して2Bとして起用、もしくは正SSのJ.P.クロフォードをコンバートすることによって穴を埋めるのではないかと予想されていましたが、結局はウォンの獲得に落ち着きました。
右打者偏重となっているマリナーズにとって、左打であるという点もウォンの魅力の一つです。ウォンは今季左投手に対してOPS.441と大きく苦しんでおり、左投手に強いディラン・ムーアに先発出場機会が与えられることありそうです。
ゴールドグラブ2回の守備の名手として知られるウォンですが、今季はDRS、UZR、OAA等主要な守備指標すべてでマイナスの数値を記録しています。名コーチ、ペリー・ヒルの指導でかつての輝きを取り戻せるでしょうか。
不振&不信のウィンカーを放出
マリナーズが対価として放出したのはウィンカーとトロです。
開幕直前の3月にトレードで加入した際に、ウィンカーにかけられていた期待はとても大きなものでした。ところが今季は136試合の出場で打率.219、14本塁打、53打点という悲惨な打撃成績に加え、LF守備でもDRS-16(全ポジションでメジャーワースト3位)を記録するという、正に悪夢のような1年に終わりました。その上練習態度等の評判もすこぶる悪く、チームメイトから呆れられるという始末では、僅か1年の在籍でトレード放出に至ったことも頷けます。
評価が急降下したウィンカーではありますが、背中、首、膝と身体中のあちこちに怪我を抱えていたこともあり、ブリュワーズで復活を果たす可能性は十分あると思われます。
もう一人の対価であるトロは、物議を醸した2021年夏のケンドール・グレイブマンのトレードでマリナーズに移籍してきています。
今季は109試合に出場したものの、打率.185、10本塁打、36打点と昨年から引き続きメジャーへの適応に苦しむ1年となりました。守備・走塁で貢献できるタイプの選手ではないため、やはり得意の打撃力を発揮することができるかが今後の鍵となりそうです。
まとめ
マリナーズとしては、期待外れに終わったウィンカーを非常に上手く損切りすることができたという印象です。またこのトレードは、ディポート球団編成本部長からのコメントが既にありますが、SSの大物FA選手を獲得する気がないことの表れでもあります。
頂点を獲ることが目標であるのはもちろんですが、それと同じくらいに長期間プレーオフに出場することのできるチーム作りも大事です。ペイロールを膨らませすぎることなく、リスクをしっかり管理していく、そんなフロントの姿勢を垣間見ることのできるトレードなのではないかと思います。