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THE DROUGHT IS OVER!

 現地時間9月30日のアスレチックス戦。1対1で迎えた9回裏、代打カル・ローリーの放った高い飛球は高々と舞い上がり、ライトポールに直撃。この瞬間、マリナーズのポストシーズン進出が決定しました。アメリカン・フットボール、バスケットボール、アイスホッケー、そしてベースボール。北米4大スポーツのアクティブな記録では最長の、20年連続ポストシーズン出場なしという不名誉な記録にようやく終止符を打つことができたのです。

 今回の投稿では、今までに何度も投稿してきたマリナーズの中長期的なプランにも触れつつ、今年のマリナーズがどのようなチームであったのかを取り上げてみたいと思います。

■フリオ・ロドリゲスという球界のスターの誕生

 フリオ・ロドリゲスに触れずに今年のマリナーズに語ることはできないでしょう。21歳の若さで開幕スタメンの座を掴んだロドリゲスは、4月こそ審判の厳しい判定の影響もあり本領を発揮することができませんでしたが、5月以降は調子を上げていき、打率.284、27本塁打、25盗塁の傑出した成績を記録しています。当然ながらア・リーグの新人王の最有力候補と目されています。

 選手能力だけにとどまらず、優れたリーダーシップと笑顔を絶やさない魅力的なパーソナリティも備えており、既にチームに欠かすことのできない中心選手となっています。シーズン途中に最長17年となるエクステンションにも合意しており、フランチャイズプレーヤーとしてこれからのマリナーズを長期間支えていく存在になるでしょう。
 腰痛のために10日間の故障者リストに入っていたロドリゲスでしたが、復帰戦となった今日のタイガース戦ではいきなり3安打の大活躍。このままポストシーズンでも持ち前の全力プレーでチームを引っ張っていって欲しいですね。

■勝負所を見極めたルイス・カスティーヨの獲得

 レッズのエース投手、ルイス・カスティーヨの獲得については以前に記事を投稿しています。

 対価として2人のTOP100プロスペクトを含む合計4選手を放出しており、カスティーヨの獲得には大きな出費が伴いました。しかしポストシーズン進出をより確実なものにとし、更にそこから先の戦いの勝率を高めていくため、ディポートGMは積極的に動くことにしたわけです。

 マリナーズ移籍後のカスティーヨは、11先発で4勝2敗、防御率3.17、7QSとチームの期待に応える投球を見せており、ポストシーズン進出へも大きく貢献しました。また、最長6年となるエクステンションにも合意しており、向こう数年はマリナーズのローテーションの柱として活躍することが期待されています。
 プロスペクトが順調にメジャーの戦力へと成長していく一方で、必要とあればそのプロスペクトを出し惜しみすることなく補強に動く。再建期から勝負期へと移行したマリナーズのスタンスが、如実に表れているトランザクションであったと言えるでしょう。

■若手とベテランの嚙み合ったバランスの良いロースター

 今年のマリナーズは、主に再建中に獲得した若手たちと、実績十分のベテランたちがうまく噛み合うバランスの取れたロースターを構築することができました。
 前者としては、ロドリゲス、ローガン・ギルバート、ジョージ・カービー、カル・ローリーらの生え抜きや、J.P.クロフォード、タイ・フランスやアンドレス・ムニョスらのトレード移籍組の活躍が目立ちました。
 後者としてはオフシーズンに加入したロビー・レイ、エウヘニオ・スアレスやジェシー・ウィンカー、シーズン途中に補強したカルロス・サンタナやカスティーヨ、ミッチ・ハニガーやマルコ・ゴンザレスらの古株が挙げられます。

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マリナーズのジェリー・ディポートGM

 そしてなによりも重要なのが、ポストシーズンに届くレベルのロースターを$117M(RosterResource参照)という、サステナブルなペイロールで作りあげることに成功した点です。チーム史上最高額となる$163Mを記録した2018年のオフから、わずか3年という驚異的なスピードで再建を成功させたジェリー・ディポートGMの手腕には唸らされます。

■おわりに

 以上今年のマリナーズを振り返ってみました。
 2018年オフに掲げた短期再建という目標を、これほどまで鮮やかに達成してしまうとは思いませんでした。毎年ポストシーズンに出るのが当たり前であるような、そんなチームになって欲しいと願っています。
 それではまたポストシーズンでお会いしましょう。

画像:Mariners

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