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【SEA】2021成績90勝72敗【シーズンレビュー】
■20シーズン連続のポストシーズン逸も…
現地時間10月3日、エンゼルスとのレギュラーシーズン最終試合に3-7で敗れたマリナーズは、ワイルドカード2枠目まで2ゲーム差の90勝72敗でシーズンを終えました。残念なことに、今年もシアトルに10月の野球がやってくることはなかったのです。
やはり「20シーズン連続ポストシーズン出場なし」という不名誉な記録が目を引きますが、その実は3年前から蒔き始めた「再建の種」からすくすくと苗が育ち、花が咲き実を付けたような、収穫にあふれた1年でした。
経験の浅い若手がロースターの大半を占める陣容でありながら、投打が噛み合い、シーズン最終戦までポストシーズン進出を争うことができたのは、選手たちにとってとても大きな経験になったことだと思います。
■チームを最後まで引っ張った投手陣
フロントライン・スターターと呼べるような絶対的なエースは不在だったものの、1年を通してイニングイーターとして活躍したフレクセン、後半戦に防御力2.70と持ち直したゴンザレス、ポテンシャルの高さを見せた1年目のギルバート、トレードで加入後安定した投球を見せたアンダーソンらのローテーションは、試合を作ってチームに勝ち目を残す投球をしっかりと続けてくれました。チームオプションの行使に注目の集まる菊池も、後半戦は失速したものの、前半戦はオールスターにも選出される素晴らしい内容でした。
得失点差-51でありながら90勝72敗と18もの貯金を作り出すことができた一番の要因は、ブルペン陣の奮起でしょう。
主なリリーフ投手
ステッケンライダー 62試合 防御率2.00 14セーブ 67.2投球回 58奪三振
シーウォルド 62試合 防御率3.06 11セーブ 64.2投球回 104奪三振
カスティーヨ 24試合 防御率2.86 2セーブ 22.0投球回 26奪三振
サドラー 42試合 防御率0.67 40.1投球回 37奪三振
クローザーとして期待されていたモンテロが大不振に陥る誤算(シーズン中にトレードで放出)はあったものの、マイナー契約から這い上がったステッケンライダーやシーウォルドの予想外の活躍もあり、メジャートップレベルのブルペン陣を形成することができました。
ちなみにサドラーは、長谷川滋利の持っていた球団記録を更新する、29試合連続無失点(長谷川の記録は25試合連続)でシーズンを終えています。7月25日を最後(!)に失点を記録してません。
■クラッチな打撃が光った野手陣
フランスやクロフォードらが着実な進歩を見せ、ハニガーが完全復活を果たしたものの、マリナーズの打撃力はメジャーでも下から数えた方が早いレベルにとどまりました。
2021マリナーズ打撃成績 打率.226 出塁率.303 長打率.385 OPS.688 wRC+93
それでも、ここぞという場面では一本が飛び出すような、勝負強い打撃が目立ち、実力以上の結果に繋がりました。
トッププロスペクトのケルニックは予想以上にメジャーレベルへの適応に苦しみましたが、9月以降は.248/.331/.524/.854、7本塁打、20打点と上々の成績で1年目を締めくくりました。来年こそ、チームの中心選手へと成長してくれることを期待しています。
チーム一番の古株、シーガーは打率こそ.212と低水準でしたが、どちらも自己ベストとなる35本塁打、101打点の活躍でチームの得点源となりました。高額のチームオプションを破棄してFAでの流出が濃厚とされていますが、もしそうなるのであれば、有終の美を飾ることができたのではないかと思います。
■2021年総括
一番初めの投稿に書いた通り、マリナーズにとっての2021年は、本格的な「勝負モード」に入る一歩手前の戦力を見定める1年、という位置づけでした。
そのため、投打が噛み合い、ポストシーズン進出争いを最後まで繰り広げた予想外の快進撃は、シアトルのファンを熱狂させました。ポストシーズン進出こそ逃しましたが、採点するなら100点満点をつけても良いくらいに素晴らしい1年だったと言えると思います。
勝ち負けに拘らずのんびりと若手の成長を見届ける再建期も決して悪いものではありませんが、やはり1試合1試合手に汗を握りながらポストシーズン進出を願う緊張感もたまりません。
オーナーから出されたペイロール増大のゴーサイン、そしてメジャー屈指の層の厚さを誇るマイナー組織。本格勝負に向けて準備万端整ったマリナーズがポストシーズンの舞台で戦う姿を、来年こそは見ることができると信じています。
写真:https://twitter.com/Mariners/status/1444129296830763012