圧巻の139分。KAFA(韓国国立映画アカデミー)の卒業制作が世界を席巻。/『同じ下着を着るふたりの女』
昨年の東京フィルメックスで見て、衝撃を受けた。まず、なんというインパクトのあるタイトル!内容は、母と娘の物語である。昨年のキム・セイン監督のコメントでは「短編作品を作っていて、相手を完全に憎むことも愛することもできないという関係を探求してみたくなった。そういうアイロニカルな関係が韓国社会にあるとしたら何だろう? と考え、母と娘に思い至りました」と言っている。
https://filmex.jp/2022/news/broadcast/1103the_apartment_with_two_women_qa
見ていてかなり息苦しくなるがそれが映画館で映画を見る醍醐味でもある。
ぜひ、チャレンジしてもらいたい。
本作は、キム・セイン監督のKAFA(韓国国立映画アカデミー)の卒業制作作品。
その作品が第26回釜山国際映画祭で5冠に輝く他、第72回ベルリン映画祭のパノラマ部門に選出された。KAFAとは一体、どんな学校なのだろう?
下記の記事によると、
途中から、韓国のKAFA、KOFICの話になってしまいましたが、今後必ずまた国際的な舞台に登場し新たな作品を見るためにも、『同じ下着を着るふたりの女』は見ていて損はない作品です。
<初日イベント情報>
東京都 シアター・イメージフォーラム
2023年5月13日(土)監督Q&A
13:30上映後(イベント 15:50~16:05)
16:15上映後(イベント 18:35~18:50)
<登壇者>
キム・セイン
2023年5月14日(日)トークイベント
13:00上映後(イベント 15:20~15:50)
<登壇者>
キム・セイン、田房永子
16:00上映後(イベント 18:20~18:50)
<登壇者>
キム・セイン、西川美和
<コメント>
西川美和(映画監督)コメント
人間は、絶望的に変わらない。しかし、その絶望を引き受けながら、懸命に出口を探した作家としての姿勢に感動する
田房永子(マンガ家)コメント
この手のお母さんから「愛」を受け取るのは、暗闇のなかで目を凝らし、
何が起きているかを理解しようとするのと同じ。
だけど、彼女は自分の幸せを追える人だから、大丈夫。
斎藤環(精神科医)コメント
本作のタイトルは象徴的だ。「同じ下着を着る」という関係は、母と娘の間にしか成立しないからだ。
異性間の親子ではもちろん、父と息子でもあり得ない。
このタイトルに、母と娘の両義的関係のすべてがこめられている。
宇垣美里(フリーアナウンサー・女優)コメント
離れるには近すぎて愛するには遠すぎる母娘関係。
憎らしいのに愛されたくて、孤独だけど歩み寄れるわけもなく。
酸欠寸前の閉塞感や母娘の間の張り詰める緊張感たるや胃が捩れそうなほど。
家族なら愛し合える、だなんて所詮幻想。ああなんて残酷なんだろう。