アメリカ大学受験に必須:FAFSAを知っていますか?
今回は、アメリカのFAFSA(奨学金制度)の申請についてお話します。
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【FAFSAとは】
The Free Application for Federal Student Aid
皆さん、FAFSAをご存知ですか?アメリカの大学受験を考えている生徒さんや親御さんなら、一度は聞いたことがあるかもしれません。FAFSAとは、アメリカ連邦政府が提供する学生ローンや奨学金制度を無料で申請できるプログラムのことです。
奨学金や学生ローンを利用する予定は無い方も、学校からのFAFSAやその他の奨学金関連のお知らせが来ます。FAFSAの申請は、無料ですので、申請だけは行いましょう。
【アメリカの奨学金制度の種類】
アメリカには主に以下の3種類の財政援助(ファイナンシャルエイド)があります。
奨学金(Scholarship):
メリットベースの奨学金で、返済不要。成績優秀者や特定分野で優れた能力を持つ学生に与えられます。親の収入に関係なく受け取ることができ、特に学力やリーダーシップが評価される生徒には学費全額免除が与えられることもあります。
奨学金(Grant):
ニードベースの奨学金で、返済不要。親や学生本人の収入が低い家庭に与えられます(FAFSAの申請が必要)。
学生ローン(Student Loan):
ニードベースの学生ローンで、返済が必要。通常、卒業までは無利子です(FAFSAの申請が必要)。
【FAFSAの申請期間】
FAFSAの申請期間は、大学に入学する前年の10月1日から始まります。学費援助の資金には限りがあるため、早く申請することが重要です。早期申請した学生の方が大学から高く評価され、その評価は奨学金の額にも影響します。FAFSAの申請には大学10校まで登録可能です。
【FAFSAの提出期限】
連邦政府の提出期限: 6月
大学の提出期限: それぞれの大学によって異なるため、大学のサイトで確認が必要です。
州の提出期限: 州によって異なるため、FAFSA Deadlinesから確認できます。カリフォルニア州の今年の提出期限は3月でした。
【FAFSAの申請方法】
オンライン申請: FAFSAの公式サイトから
アプリ申請: myStudent Aid Mobile Appを使用
郵送申請: FAFSAフォームをプリントアウトして記入後、郵送
【FAFSAに登録できる大学の数】
FAFSAの申請時には、最大10校の大学を登録できます。大学はこの情報をもとに、学生の経済状況を把握し、必要な財政援助の額を決定します。たとえニードベースの援助が不要な学生でも、成績や課外活動の成果に基づいてメリットベースの奨学金が支給されることがあります。したがって、FAFSAの申請をしておくことをお勧めします。
【FAFSAの申請に必要な書類】
ソーシャルセキュリティ番号
運転免許証(所持している場合)
前々年度の学生と親のW-2フォーム
学生と親の銀行残高明細書
【FAFSAを提出する資格】
米国市民または永住権所持者
アメリカのソーシャルセキュリティ番号を所持している者
大学の正規学生として入学済みまたは入学許可された者
高校卒業証書またはGEDなどの資格を所持している者
大学に既に在籍している場合、良い学業成績を維持している者
財政援助が必要なことを証明できる者
【財政援助に必要な金額の計算方法】
COA(大学に必要な資金) - EFC(家庭が自己負担できる年間の大学費用) = 必要な財政援助額
【EFCとは】
Expected Family Contributionの略で、家庭が自己負担することができる年間の大学費用の上限を指します。学費、寮費、食費などが含まれます。
【FAFSA申請後の感想】
FAFSAの申請は非常に面倒でした。FAFSAのID作成から始めるのですが、子供用のIDと親用のIDの両方を作成する必要があり、とても分かりにくかったです。入力項目が多く、個人情報を多く求められるため、時間がかかりました。しかし、FAFSAの申請は無料ですので、出しておくことをお勧めします。特に将来的に家庭の収入が減少した場合などに備えるためです。
2024年から大幅簡略化
もともとは2023-24学年度から適用される予定でしたが、一年延期され、2024-25学年度(申請は2023年)から施行されます。以下に、簡略化や変更点をまとめます。
FAFSA申請の簡素化 現在のFAFSAは108項目の回答が必要ですが、新FAFSAでは36項目に減少します。タックスリターンの数字を申請ページに自動入力する機能も拡充され、申請がより簡単になります。これにより、より多くの学生が簡単にFAFSAを申請できるようになります。
EFCからSAIへ 従来のFAFSAではEFC(Expected Family Contribution)という指標が使用されていました。
Cost of Attendance(カレッジ費用)― EFC = Financial Need
このように計算され、大学はFinancial Needに基づいてエイドを提供していました。このEFCは「各家庭が支払うべき学費」と解釈されがちですが、実際にはそうではありません。EFCを全額支払えない家庭もあれば、EFCを超えて支払う家庭もあります。このため、EFCという名前が混乱を招いていました。
新たに使用されるのがSAI(Student Aid Index)です。SAIは「政府や学校が学生にエイドを提供するための指標」という目的を明確に表す名前になりました。基本的にはEFCと同様のものですが、若干の変更点があります。
SAIは0以下になり得る SAIの大きな違いは、EFCの最小値がゼロであったのに対し、SAIの最小値はマイナス$1,500になることです。SAIがマイナスの場合、カレッジ費用を超えてエイドが出る可能性があり、生活費援助などが含まれることがあります。
新システムでは、自宅から大学に通う学生の生活費や交通費もエイドの対象になります。
複数の大学生がいるベネフィットの廃止 現在は、同じ家庭に複数の大学生がいると、収入が考慮され、エイドが増えます。しかし、新システムではこのベネフィットが廃止されます。
例えば、現行システムでEFCが$40,000の家庭に2人の大学生がいる場合、EFCは2分割されそれぞれ$20,000となります。この考え方が廃止され、複数の学生がいてもSAIは同じになります。
離婚している両親の場合 現在は、離婚または別居している場合、親権のある親がFAFSAを申請します。新システムでは、学生のために最も多くの費用を支出している親が申請を行います。費用が50/50の場合は、収入の多い親が申請を行います。
Pell Grantの資格がすぐに分かるように 低中所得家庭向けのPell Grantの資格が分かりやすくなり、低所得家庭がPell Grantを得やすくなります。
その他にも変更点がありますが、主要な変更点についてまとめました。これらはFAFSAに対する改定であり、主に私立大学で使用されるCSS/Profileは現行のままです。