マレーシアで犬と猫の保護活動に参加しました
マレーシアのクアラルンプールでは、shelterと呼ばれる動物を保護する施設があります。
動物好きですがペットを飼っていない私は、猫カフェに行くのが趣味になっていましたが、ただ消費者として関わるだけでなく、何か世の中に役立つことがしたいと考えました。
マレーシアのペット事情
マレーシアは多民族国家ですが、人口の約70%がbumiputera、一般的にマレー系と言われる現地系の民族です。そしてマレー系の人々はイスラム教を信仰しています。
イスラム教では犬をペットとして飼うことは許されていないそうで、マレー系の人がペットを飼う時は、猫が多数派です。
中華系やインド系の人、外国人には犬を飼っている人はいます。
日本では街中で犬も猫も両方多くペットとして見かけることが多いと思いますが、マレーシアではこのような宗教上の理由で猫を多く町でみかけます。
地域によっては野犬(日本の野良犬とは雰囲気が違っていて、群れで暮らしている)も見かけるので、動物の扱いの日本との違いを感じることがあります。
マレーシアでのおすすめの猫カフェについてブログで紹介しています。
犬と猫の保護ボランティア活動ができる場所
検索でshelterを探すと、クアラルンプール近郊では2つの施設がボランティアをしていることが分かりました。
(他もしているかもしれませんが、英語で情報開示が分かりやすくされていました)
①SPCA Selangor
②Paws Animal Welfare Society
順番にshelterの様子をレポートします。
①SPCA Selangorでのボランティア
SPCA Selangorのボランティアの情報は、以下のページで公開されています。
ボランティアをするには、4時間の講習Pet Care Volunteer Programmeを受ける必要があり、ページに書かれているメールアドレスまで連絡すると案内が来ます。
メールの案内には、donationを推奨する文面が含まれています。到着すると支払いを求められました。
Due to limited resources, we're expecting volunteers to help raise funds for our animals as part of the volunteering activity:
Regular: RM 80.00 per student / RM 120.00 per working adult
最初にコミットするために研修代を支払い、その方針に同意できない人はボランティアに参加できない仕組みを作っているようでした。
講師の説明によると"Quality over Quantity"とのことで、質にこだわって保護活動をしているのが伝わりました。
活動は、まず猫の部屋の掃除から始まります。トイレの砂の入れ替えた後、トイレの容器を洗うグループと、部屋の中のモップ掛けをするグループに分かれました。
その後は部屋に戻って猫をケージから出して触れあいタイムでした。
私は子猫の部屋を担当しましたが、それはもうかわいかったです!
猫の名前は"Udon" "Brownie" "Ramen"など食べ物の名前で、日本食由来の名前の子もいました。
猫の活動が終了すると、犬の活動の説明が始まります。
犬は3歳以上の落ち着いた大人グループと、3歳未満のティーンネイジャーグループに分かれて活動しています。
最初に大人グループのいる場に入り、犬もトレーナーも慣れた後、大人グループを犬舎に異動し、ティーンネイジャーグループと入れ替えました。
ティーンネイジャーグループは興奮して駆け込んできたので、エキサイトしすぎてかまれないかドキドキしましたが、予想外に穏やかでした。
講師の説明によると、犬が近寄ってきたら静止して、臭いをかぎたいだけかがせれば危害を加えられることはまずないとのことでした。
その後ティーンネイジャーグループの犬を、トレー二―2,3人ごとに割り当てて、敷地内の散歩をしました。
私たちはHihiというメスの大型犬を担当。好奇心旺盛でにおいを嗅ぎまわっていて、しつけのためのtreatに目がない食いしん坊な子でした。
最後まで研修が終了すると、最後に今後の説明があります。
研修後は特に予約することもなく、自由にボランティア活動に参加していいことと、活動は午前の方が仕事がたくさんあるのでおすすめなこと、などでした。
Tシャツを配布されるので、次回からボランティアに参加するときは着ていれば目印になるそうです。
研修に参加している人は学生が多かったですが、ボランティアで来ている人の中には、働いている男性で、毎週土曜に来ている、と話す人もいました。
②Paws Animal Welfare Societyでのボランティア
クアラルンプールの隣の市、Petaling JayaのPaws Animal Welfare Societyにもボランティアに行ってきました。
こちらは特に研修などは必要なく、フォームへの記載をし、電話かメールで予約をするだけで参加できます。
到着して名前を伝えると、犬、猫どちらをしたいか聞かれ、案内されます。
猫を選んだので、猫のグルーミングをするブラシを渡された後は、特に自由に猫と触れて遊んでいればいい。場所を移動したい場合は声をかけて、とのことでした。
最初は色々な雑種の種類の猫のいるケージへ。
毛並みが良くて飼い猫のような猫から、皮膚炎になっていたり、目の病気になっている猫もいて、悲しい気持ちになりました。
獣医さんが定期的に来てケアはあるものの、十分に行き届いているとはいいがたい状況なようでした。
人懐っこくすり寄ってくる猫もいて、猫カフェなどでは体験できない感覚を体験できました。
ただ、猫はケージから出してもらいたいからすり寄ってくるだけで、人が好きで寄って来てるわけではないと、一緒に行った友達が言っていました。
犬のケージも外から見学しました。
常に犬が吠えている状態で犬たちはケージに入れられてストレスが溜まっていそうでした。
施設の人によると、ずっと吠えている声に慣れているから何も気にならなくなったとのこと。
ボランティアグループの中には、犬を連れて敷地内を散歩している人もいました。
入口にあるテーブルと椅子があるスペース兼事務所のような場所では、施設の犬のプードル犬が出入りしていて、かわいがられていました。
Pawsのボランティアは、特に掃除や力仕事はなく、ただ犬や猫と遊ぶだけのもので、個人的には「社会貢献している」という感覚になれず、ただかわいそうだけど自分には引き取れないので無力感でむなしくなりました。
そんな中、終盤になり帰る準備をしていると、新しく引き取り希望で連れて来られる、キャリーに入った猫と飼い主の姿が。
これからこの猫もあの猫たちの一員になる、と思うと悲しい気持ちを止められませんでした。
マレーシアでの動物保護施設ボランティアまとめ
2つの施設はボランティアを随時受け入れているので、ご自宅に近い方から試すとハードルが高くないと思います。
やり方も違っているので、それぞれ良さがあります。
個人的にまた行きたいと思うのは、SPCAでした。研修を受けてdonationもし、Tシャツもあるのでまた行かないと、という気持ちになります。
マレーシアにいるけど、ペットは飼えない、と言う方はぜひ体験してみてください。