男女は平等ではない
昨今は多種多様な世の中になってきていて、ますます個が尊重されてきている風潮なのでしょうか。良いことですね。
以前「世代間の価値観の違い」を書きましたが、同世代であっても更に「個人個人の価値観の違い」があります。(当たり前ですよね…)
私は10代の頃は、まだ個の尊重なんてものを感じられない環境で同調圧力に悩まされて、17歳くらいまではあんまり生きてて楽しいと思いませんでした。今思えば、三度の美味しいごはんも食べられて学校に通えてたんですから、生きてて面白くないだなんて贅沢なんですけどね。
今みたいにネットで情報も集められませんでしたので、箱入り的に育てられた私は世の中のことを知る術もなく、学校と家庭が全てでした。
学校から教わったことで信じて疑わなかったことが、「男女平等である」ことと、「女性の社会進出」でした。父方の実家は山間部でしたので男女差別が残っていましたが、男女差別は戦前の昔の考えで古くてダサいと思って育ちました。
そして高校生の時に自分が将来何になるのかを真剣に考え、これ以上同調圧力に悩まされたくなくて芸術の世界に行くしかないと真剣に考えた結果が、「世界に通用するファッションデザイナーになる」でした(笑)今の時代に自分が高校生だったらもっと情報をたくさん持っているはずなので、もっと現実的な将来に向かっていた可能性はあります。当時、本屋などでしか情報が集められなかった自分の精一杯のガチな目標でありました。
服飾専門学校に三年間通って様々なカリキュラムをこなす中で、デザインをするのもちょっと違うかな?と気づいてきたのですが、とにかく「世界に通用する何者か」にはなる予定でいました(笑)その方向性は信じて疑わず、20代の頃はアパレル業界で多少の挫折もしながら出世もしたりと、やり甲斐を持ってしっかり仕事を頑張っていました。
そして、子供は女性しか産めないことは知っていたので(笑)30歳の時に子供を産むだけ産んだらまた仕事をバリバリとしようと思っていました。
そこからが自分の計画通りにならないと思い知らさせる人生になり、世界に通用する何者かを目指すどころではなくなります…。
それまでは大きく体調を崩すこともありませんでした。仕事は過酷でも、風邪はひくけど大病などは他人事でした。長時間の立ち仕事でも腰痛も1回もなかった。しかし子育てをしながらの仕事であっという間に体調を崩しました。寝れない、食べられない、休めない、座れない、子供や買い物の荷物を抱える毎日で腰を壊しました。肺機能もおかしくして今に至ります。
小さい子供はママが大好きです。パパも好きでも、ママには絶大な信頼感があるのが乳幼児です。子供を見ていてそのことがすぐにわかったので、自分は子供の為に一緒にいる時間をできるだけ確保する方針にしました。加えて体調がボロボロでしたので仕事をセーブせざるを得なく、子供との時間を中心とした生活をしました。
そのことには全く悔いがなく、自分が思う子供に必要な母子の時間というものを納得いくように取ってきたので、そこについては大満足です。
しかし、自分は仕事も大好きで、仕事で成果を出したり認められたり出世することにも人一倍生き甲斐を感じる人間です。これができないことには不満タラタラです。
自分の納得いく価値観を基準にすると、納得するレベルで子供と一緒にいて向き合うことと、納得するレベルで仕事に取り組んで成果を出すこと、この両立は物理的に不可能でした。1日24時間でそのうち睡眠も取らなきゃいけないし、自分は1人しかいないので無理でした。
だからどちらかの基準を下げないといけなくて、私は、仕事の方の基準を下げました。基準というか、取り組む時はたくさんエネルギーを投入しますが、時間配分的にそんなにたくさんの時間を外で働く仕事だけにかけるのは、物理的に無理だということです。
言い換えれば子供と向き合うこともお世話も「仕事」であり「社会貢献」なのは間違いないのですが、そこにお給料が発生しないのが育児のしんどいところなのは間違いありません。
ですので、今回のタイトル「男女は平等ではない」ですが、この令和の時代、女性の社会進出ができないわけでもないし、男性の育児参加ができないわけでもないのに、やはりまだまだ根強く残る「男は仕事、女は家事育児」ということ。現代社会の男女平等の意識改革や環境改革の進捗に賛否を問う以前に、そもそも乳幼児たちの「ママ大好き」は生物学的な本能だと思われるので、そこを変えようとするのもどうかと思うのですよ…。
乳幼児たちはママと一緒にいたいのですから、ママは可能な限り一緒にいたら良いと思います。事情が許す限りですがね。
私の場合は、仕事もしなきゃいけない、子供とも一緒にいてあげたい、の板挟みで(更に体調不良もあり)ヒーヒー言いながらここまでやって来ましたが。
現在までの大不満は「納得いくように仕事がバリバリできない」なんですが、よく考えたら「納得いくだけ子供と一緒にいられた」のだから良かったのかも(今気づいた)
そして、中学生になった息子はついに、母親と一緒にいることには興味がなくなりました(笑)「ママ大好き」からの→「親うぜぇ」って思春期の息子や娘(特に息子?)のこの変貌ぶりは何なんでしょう。人間て面白いですね(ちょっとイライラ笑)
そんなわけで、私たち人間は霊長類ヒト科として、母親が子育てメインの生態系のようですので、オスとメスは平等ではなく違う役割だということの自覚もしつつの、知能のある人間たちは女性の社会進出もできるし、男性の育児参加もできるという文化的な社会を営んでいて、うまいこと楽しくやっていけたらいいですよね。
なかなか、そううまくもいかないのも現実でしょうか…(汗)
お読みいただきありがとうございますm(_ _)m
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?