あめんぼ生活#22 『それでも僕は夢を見る』を覚えている人いるのかな
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もう10年も前になる。
この本を読んだのは。
おそらく祖母の家だったと思う。
机の上にポンと置いてあり、何気なく手に取って読んだ。
引き寄せられたのかも、とも思ってしまう。
たった一回しか読んでいないのに
心の支えとなったのは片手で数え切れない。
『それでも僕は夢を見る』
は、鉄拳さんと水野敬也さんの作品だ。
読み返してから書けば良いのだけど、
私の中にあるあらすじで話させてもらいますと、
何の変哲もない男性の人生がただ描かれていく。
学校へ通い、大学へ行き、どうにか就職した先で、
結婚もなく、昇進もなく、ひとりでせくせくと日々を過ごしていく。
どちらかと言えば、多くの人が思い描く幸せな生活とはかけ離れていた。
そして、そのひとりの状態で病気であることがわかり、
抗えることなく、
最後の時を迎える。
こんな無味な内容なのに、10年経っても
色褪せない印象にしたのは最後の主人公の言葉だ。
それを私は「印象に残った言葉NOTE」に残していた。
他の人はどう感じるんだろう。
私は、
周りの人の輝きに目が眩んでしまい
限りなくネガティヴに陥ってしまうとき、
この言葉を思い出して
踏ん張っている。
しがみついていいって思える
どんな風な生活してたって。
この時代に生まれて、本当に良かったと思う。
ただ、無味無臭になってしまいがちでもある気がする。
そんな生活を、人生を肯定してくれる作品だと思った。
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