ワークマンは、ペン差しをなくさない方がいいと思う。
モノには、出自がある。
例えば、デニムパンツ(僕の世代はジーパンって呼ぶけど)の腰にあるサブポケット。これはかつて、懐中時計を入れるために使われていた。
今、懐中時計を使う人は極少になっていると思うが、デニムにはあの小ポケットが残っている。
あの小ポケット・懐中時計ポケットには、今でも小銭を入れたりという別の用途があるので残っている・・・という理由があるかもしれない。しかし、その商品の出自というか、歴史として、そういうものが残っている「味」というか、「深み」みたいなものが感じられる遊び部分であるようにも感じられる。
ワークマンは、作業服として出発した。
今、アウトドア・アパレルとしても活躍し始めている。
作業服は39年作ってきたが、アウトドア・アパレルとしては経験不足で、端的に言ってダサいデザインだ・・・という評価がネットでささやかれていて、そこを課題視していた。
そこでワークマンは、自社に足りない、アウトドアにおけるデザイン性を補完する目的で、ユーザーとなるキャンパー(キャンプする人の意)の代表として、キャンプ・ブロガーの有名どころに意見を聞いていた。
そのブロガーは、「ワークマンさん、ペン差し好きですよね。でも、キャンパーはペン差し使わないです」と、意見をしていた。
わかる。でも、使わなくても、邪魔になるというのではないのなら、ワークマンのシンボルとして付けておく方が、私は楽しいのではないかなと感じた。(無駄なものが無いシンプルさが美しいのよ、という意見もあろう。がしかし)
ワークマンが、そうやってアウトドア・アパレルメーカーと同じマーケティングに寄せていけば、だんだんと独自性が失われて、他のブランドに埋没して、ワークマンとしての存在性が希薄になるのではないか。
それより、新顧客・アウトドア向けに開発していく商品にも、ワークマンのもともとの顧客である仕事現場でのユーザーの使い勝手を残す商品にしておく。そういう方が、コンセプトというか、ワークマン魂が感じられて・・・。そういうことが、重要なんじゃないかなあ・・・と、感じています。
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