ニュータイプはな戦争などせんで済む人類のことだ(レビル将軍)
「ニュータイプはな戦争などせんで済む人類のことだ」
というレビル将軍の見識の高さを愛する。
「超能力者達のことではない」と、劇中のセリフは続く。
これは、監督:富野からの重要なメッセージでもあると、今では思っている。
富野は、このような作品を作って子供達に見せれば、その中からニュータイプが生まれる・・・そう期待してガンダムを作った、と言う。
子供向けアニメの枠でオンエアした作品の割にはすごい内容だったのが納得できる発言だ。
映画3作目、めぐり逢い宇宙の最後に、こんなクレジットが出る
『and now... in anticipation of your insight into the future.』
富野の発言を思えば、こう訳したくなる
『君たちの未来での覚醒を期待して・・・』
あるいは、『今はわからなくとも近い将来この作品の意味がきっとわかるだろう』・・・そういう、意味であるかもしれない。
果たして、いちアニメ作品のメッセージだけでそのようなことが起こるかどうかと言うと、ちょっと難しいのだろうとは思うが、当時、そして今、そう言う機運は大いに盛り上がっているのだと感じる。
この機運が50%を超えてしまえば、天秤が傾いて一夜のうちに世界が変わるのだろうが、今は50%50%状態が51%49%に変わる、この1%をめぐるせめぎ合いの時代なのだろう。それゆえ、1日のある出来事で世界が大きく動きかねない。言い換えれば不安定な世界が今だ。
それにしても、このガンダムという作品に秘められたパワーが相当に大きかったことは、40年後の今になって明確に日本社会に現れている。このほど動く等身大のガンダムが登場したのを見ればそれは明らかだろう。(写真はYahooのニュースからお借りしています)
ガンダムが、「戦争兵器であるロボット」という外的なものでは大いに盛り上げっているが、富野の真の狙いだった「人の内的な革新」に関してはどれだけの盛り上がりを見せているかなかなか見えにくい。しかし、ある世代は確実にニュータイプに対するある種の希望的イメージを抱いていると感じている。自分たちがニュータイプの予備軍なんだと氣付いて、行動を取り出した時の流れは速いはずだ。
大きな志であればあるほど、その顕現までに時間がかかるものだ。
流行語大賞にあがるワードの内容などは、往々にして翌年には忘れられて誰の口にも登らなかったりする。