映画『ベストキッド』の続編ドラマ『コブラ会』がなかなかいいのでハマっているのだが、いい理由がわかったわ!
かつて、1984年に米国公開された『ベスト・キッド(米国ではカラテキッド)』は我が青春の映画! 人氣を得て続編がシリーズ3まで作られたカラテ青春映画『ベスト・キッド』(これは邦題で、原題は『カラテキッド』)。大好きな映画だったが、その続編がテレビドラマになっていて、今、ネットフリックスで見ることができる!
正直、思い出をけがしてくれるなよ・・・と、思いつつ観たのだが、いやこれ、なかなかいいですよ!
この『ベストキッド』3部作は特別に思い入れがある。劇中でひ弱な少年ダニエル・ラルーソに空手を指南する沖縄出身の達人ミスターミヤギを演じるノリユキ・パット・モリタ。このモリタという日系俳優の存在感は絶大だった。ヨーダかミヤギかというくらいに。ノリユキ・パット・モリタはこの役でアカデミー賞の助演男優賞にもノミネートされた。
今でも、人生に迷いがあるとこの映画を見て、自らの心を正す。そんな映画が『ベストキッド』。だから、自分の人生のバイブルみたいな映画なのだ。
そんな自分にとっての聖域作品だから、今時の商業主義に汚されて、ちゃちな内容になってしまっているのではないかという恐れを抱きつつ見てみたのだが・・・。
これが、なかなかいい感じ!
約40年近くも前のキャスティングそのままに、当時の役者たちが年老いて登場する。最初はその老いた姿にちょっと目を覆いたくなるような感覚もあったが、劇中で各役が昔を思い出して活力を発揮していくうちに、だんだんと見れる感じになってくるから不思議だ!
あのベストキッドの魂が連綿と受け継がれていた!
最初は、ちょっとした懐かしさでみているようなところもあった。
かつての、1984年当時の映画『ベスト・キッド』は、監督は『ロッキー』のジョン・G・アビルドセン。音楽も『ロッキー』のビル・コンティー、だったから、当時は少年版ロッキー的にコマーシャルされる作品だった。
しかし、このテレビドラマは、ジョン・G・アビルドセンもいないし、なんと言ってもあの、ミスターミヤギがいないのだから、まあそれなりの作品だろう・・・と、どこかでタカを括って観ていた。
しかし、これが、話数が進むにつれて、どんどん引き込まれていく。
というか、かつての、ミヤギの教えに感動するあの感じが、このドラマではそこかしこに出てくる。。。
映画『ベストキッド』の脚本家がドラマスタッフにもクレジットされている!
むむむ! と、思って制作スタッフを調べると、映画『ベスト・キッド』の脚本家ロバート・マーク・ケイメンが、ドラマスタッフとしてもクレジットされている!
映画『ベスト・キッド』は、TVのプロデューサであるジェリー・ワイントロープという人がテレビのカラテ特集を見たのが始まりだった。(ここらは映画のパンフレットの受け売りです)。全米が空手ブームに湧いているなか空手を学ぶ少年が「学校で虐められてばかりいたからカラテを覚えた。でも喧嘩はしないよ、無意味だもん」と答えたそうだ。この時の感動が脚本のロバート・マーク・ケイメンに引き継がれた。
このロバート・マーク・ケイメンは若い時に沖縄出身の日系人からカラテを教わり、その後20年間以上も練習を続けている。このケイメンは、空手と東洋的な風習なんかにも造詣が深い人物。
だから、空手の教えと人生訓が、映画の中ですごくよく一体化していて、心の奥の方にまでズンと届く。そういう作品だった。そこに、ロッキーの演出と、ロッキーの音楽が加わるんだから、若い頃に見たらハマるよね。
その、ミヤギ空手道の精神が、このドラマ『コブラ会』にはすごくしっかり受け継がれていた。それは、もともとの映画『ベスト・キッド』のミヤギ空手道の世界観を作り出した作家ロバート・マーク・ケイメンをしっかりとアレしている・・・今風の言葉で言うとリスペクトしていると言うのでしょうかね・・・故に、かなりミヤギ魂の踏襲に重きを置いていることが、あのクレジットで読み取れる、と、思ったのですじゃ。
これでもわたくし、エンタメコンテンツの作り手側にいたものなのですが、あの「ベストキッド」に流れる「精神性」が、ミスターミヤギ、つまり、俳優ノリユキ・パット・モリタに依存していると錯覚していたのだなと、今回のドラマを見て氣づかされました!笑 役者さんは、誤解を恐れずに言えばマリオネットですからね。役柄の人間性とその役者さん本人の人間性はかけ離れている場合が少なくはない。そんなの当然なんだけど、忘れてた。
まあ、それくらい、あの映画に心酔していたのですよ、いちファンとして。笑
ここが見どころ!
この後はネタバレですので、ドラマを見ることを決めた貴兄は読み飛ばしてください。
<1>ドラマタイトルが「コブラ会」です。タイトルロゴはもちろん英字で
『COBRA KAI』
なのですが、そのタイトルの出方が、毎回なかなかイカしてます。笑
<2>そして、懐かしい映画のオリジナルキャスティングで、どんどん攻めて来ます。最初は、ダニエルさんとコブラ会のエースだったミスター・ローレンス役のウィリアム・ザブカ(こんな名前だったんだね。正直、注目してなかったので。。。ごめんなさい)くらいかと思ったらさにあらず・・・シーズンが進むと、驚きの面々が出てきますよ。
今は、まだ、シーズン2の途中を見ていますが、ついには「アリ」役のエリザベス・シューも出てくる勢いだな! と期待して観ています。彼女は、その後人氣ドラマにも色々と出ていますけどね。ベストキッドで出てくるとなると、感激はひとしおでしょう。
<3>そして、ベストキッドシリーズの真骨頂、人生訓的なものですね。
かつてのミヤギの言葉が繰り返される場面もたくさんありますが、ミヤギがいないのに、ミヤギならこう言っただろうという言葉が出てくる。なかなか深いです。これがなくてはベストキッドシリーズではないですからね。(ま、今回は、コブラ会シリーズなわけですが)
さてさて・・・ミヤギ空手道の精神は、今の世にも打ち勝っていくでしょうか・・・今後の展開が楽しみです。
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