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コーチェラ2023でFrank Ocean代打チームとしても注目を集めるFred again...とはだれか(RBMA東京で披露していた過去曲もご紹介)

こんにちは、今年も音楽作ってます。Minimal Orderです。
今回は、このブログでも何度もピックアップしているFred again…(フレッド・アゲイン)のこれまでと、現在について簡単にまとめてみようとおもいます。


コーチェラとFred again…

世界最大級の音楽フェスティバルの一つ、コーチェラ・フェスティバル2023の最初の週を終えた頃、最終日ヘッドライナーのFrank Oceanが二週目*の出演キャンセルを表明しました。
*同フェスは、週末の3日×2週分=計6日間開催されます

同フェスは程なくして、代打を発表。
まずは00年前後に大躍進したポップパンクバンドblink-182でした。

皆が気になるtba枠

無事blink-182で1時間稼げたものの、Coachellaのタイムテーブルには空席が。最終日夜10:25から、tba(to be anounced: まもなく後日発表)とハイライトされた枠が残っていたのです。

このtba枠を誰が埋めるんだ、という話題がCoachellaが気になる人々の間でトレンドに。

そして決まるtba枠

程なくしてCoachellaからの正式アナウンスにより、tba枠がFour Tet x Fred again… x Skrillexだということがわかります。

では、ここからがこの記事の本題です。
今回、初めて名を目にする方のために、Fred again…について簡単にまとめてみました。

Fred again…とはどのような人か

そんな彼について、今度は時系列でご紹介。

16才からブライアン・イーノに師事

Fread again…ことFrederick John Philip GibsonはサウスロンドンのBalham地区で誕生。ロンドンから少し離れたMarlboroughで学生生活を送ります。
小さい頃から、ピアノやマリンバ、ドラム、ギターなどの多様な楽器に触れ楽曲制作もできるようになります。

彼は8歳の時に親戚のテープレコーダーでピアノ曲を録音し始め、寄宿学校に送られた頃には、しばしば授業をサボって音楽室で時間を過ごしたのだとか。

10代の頃、家族の友人に誘われてロンドンにあるブライアン・イーノ主催のアカペラ・グループに参加。音楽の新しいアプローチや実験的なサウンドに触れる機会を得ました。

そこからの縁でEnoとHydeのプロジェクトに共同プロデューサー/ソングライターとして参加します。

尚、こちらのブライアン・イーノへのインタビュー動画では、13:30あたりからFred again…との関係について触れられてます。

"私はフレッドの、フレッドは私にとってのメンターだった、自分と全く異なる制作プロセスをFred教わったことで視野が広がった"と述べています。

I think of Fred as my mentor as well. In that, I learned so much about contemporary music from watching him working. When I first worked with Fred, I could see he was brilliant. It's very clear he's a very very sensitive and good artist, and I was very impressed by that, but I didn't really understand a lot of what he was doing. It took me quite a while to think oh my processing music and and releasing it. One thing I know the first thing I noticed actually was his way of working is quite quite different from the way I was working until then.

Brian Eno: New Music, Mentoring Fred again.. and Endlessly Learning | Apple Music
https://youtu.be/Ui9TPLTV-Rk

実はRBMAで来日経験あり

来日公演が期待されているFredですが、実は日本での演奏経験があります。それは、2014年に東京で開催されたアーティスト同士による滞在型音楽ワークショップ兼音楽フェスRedbull Music Academy Festival
約9年前ながら、他の参加者との共作音源は今もSoundCloudに残っているようです。(以下リンクのFredは、Fred again…のことです)

怒濤のライター / プロデューサー経験を積む

RBMAで一皮も二皮もむけたFredは、その後George Ezraの"Shotgun"や、Ed Sheeranの"Bad Habits"、Stormzyの"Own It"、そしてCharli XCXの"After The Afterparty"など、第一線で活躍するアーティストのヒット曲ライター・プロデューサーとして名を馳せました。

言ってみればプロの裏方というわけですね。その実績もあり、2020年にはBrit AwardsのProducer of the Yearに最年少26歳で選ばれました。

本人名義での制作を本格化

19年まで自身の作品をリリースしてこなかったわけですが、受賞と時を同じくして、ソロアーティストとしても活動を開始。
その後、自身のスマートフォンで収集した日常の音や会話をハウスビートに融合した三部作をリリースしました。

「Actual Life」と名付けられたシリーズの第1作は、病気になり亡くなった友人との関係から着想を得ており、第2巻はその痛みについて受け止めることについて書かれています。

コロナ禍のロックダウンにあった自身と取り巻く世界を記録し、悲喜こもごもの現実世界を美しくも切ないサウンドで表現している。未来のUKシーンを決定づけるアーティスト/プロデューサーになるであろう一人だ。

WARNER MUSIC JAPAN

その後2022年にリリースされた第3作は、パンデミック後に彼の世界が再び広がっていく様子を表現しており、リリース直後の10月にはUKアルバムチャートで4位に入りました。

こういった実績から、Dua Lipa、Sam Smithなど後のヒットメイカーを多く輩出しているBBC Sound Of 2023では第2位に選出されています。

Fredの作風をユニークたらしめていること

リアルな体験

彼の作品のおもしろさ、かっこよさ、ユニークさは色々な切り口で語ることができますが、一つには「リアルな体験に立脚していること」が挙げられます。

乱暴に言ってしまうと、多くのダンスミュージックは現実から逃避するために、または無心になる、陶酔するために制作されますが、Fred again…の楽曲は現実 = 人生 = 生活 = LIFEと密接なものです。それは、実際の友人が声や映像で出演していることにも象徴されます。

サンプリング

彼はまた、音楽制作において、日常の音や会話(立ち話やSkypeコール)など普段はあまり使用されないサウンドを取り入れるなど、斬新な試みを行っています。

そんなこともあり、彼の楽曲はダンスミュージックの枠を超え、人間関係の温かみ、深みをにじませた作品として高く評価されています。

Four Tet、Skrillexとのコラボで活動増加

そんなFred again…がここ一年ほどコラボを重ねるアーティストたちがいます。一人は同郷のFour Tet

そしてもう一人は、アメリカのプロデューサーSkrillexです。

代表コラボ楽曲の一つ、Baby again..

この3人での活動は、制作だけでなくライブ/DJ活動にも及びます。2023年に入って行われた、NYのタイムズスクエア、マディソン・スクエア・ガーデンなどでの怒濤の名演が話題を呼び、今回のコーチェラでの大抜擢に至りました。


Times Squareでのライブの様子

Madison Square Gardenでのライブの様子(1曲ループ)

おわりに

というわけで今回は、過去記事で幾度となくピックアップしているFred again…について長めにご紹介しました。

今日のコーチェラ配信、楽しみです!ではまた

出典/参考

Cover photo by Vishnu R Nair on Unsplash

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